研究課題/領域番号 |
20J00991
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
酒井 佑一 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 堆積物重力流 / 水中土石流 / 混濁流 / 海底地すべり / Flow transformation / 数値モデル / 浅水流方程式 / 流れの遷移 |
研究開始時の研究の概要 |
海底地すべりにより発生する水中土石流では、流動条件に応じて層流から乱流への流れの遷移が生じるが、その遷移条件は未解明である。本研究では、水中土石流の流れの遷移条件を実験に基づき明らかにし、流れの遷移を表現した数値計算モデルの開発する。 そのために、水中土石流を二層モデル(上層が乱流、下層が層流)によって表現し、下層の層流層厚を無次元数により一意に決定する。次に粘土を混合した実験を行い、粘土の含有量が与える影響を明らかにする。その上で、実験成果を実装した数値計算モデルを構築し、現地の堆積物で適用性を検証する。
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研究実績の概要 |
本年度は、数値実験に基づいて砂質土石流から混濁流への流れの遷移過程を検討した。その際、昨年度に構築した砂質土石流の二層浅水モデル(下層:土石流、上層:混濁流)を使用し、既往の実験結果との比較を行った。その結果、混濁流の生成メカニズムとして従来考慮されていた「土石流表面での摩擦連行」に加えて、「土石流中の間隙流体の湧き出し」作用を新たに考慮することで、既往の実験で報告されている流れの遷移過程をよく再現できることがわかった。 具体的には、既往実験の条件にならい、一様勾配の一次元斜面に上流端から土石流を供給する条件において計算を行った。混濁流の生成メカニズムの影響を検討するため、「土石流表面での摩擦連行」のみを組み込んだモデルによる計算での計算と、「土石流表面での摩擦連行」と「土石流中の間隙流体の湧き出し」の両者を考慮した計算モデルによる計算の2ケースを比較した。 既往の実験での測定結果と比較すると、「間隙流体の湧き出し」を考慮したモデルの計算結果の方が流れの先頭部付近での再現性が向上した。これは、「土石流表面での摩擦連行」による混濁流生成メカニズムは両層の速度差が大きい混濁流の発達初期には効くものの、混濁流が発達して両層の速度差が小さくなるとサスペンションの生成速度が小さくなるためであると考えられる。一方、間隙流体の湧き出しによる混濁流サスペンションの生成は先頭部以外でも砂の堆積が生じる限り発生するため、混濁流が十分に発達した後も寄与する。以上のように、流れの遷移過程をより連続的に再現するためには、混濁流生成メカニズムとして「土石流表面での摩擦連行」に加えて、「間隙流体の湧き出し」を考慮する必要があるといえる。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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