研究課題/領域番号 |
20J01170
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 駿 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 向社会性 / コミュニケーション / 魚類 / 向社会的選択課題 / 比較認知科学 / 進化生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
本プロジェクトでは、脊椎動物で最も原始的な分類群である魚類と、ヒトを始めとする霊長類の向社会性のメカニズムを比較し、魚類の向社会性と社会・生態的要因との関係を総合的に理解することを目指す。前者では、霊長類と魚類の向社会性をPCTという実験的手法を用いて比較することで両者の相違点について整理する。特に、魚類の向社会性を駆動するホルモンと認知基盤に着目した実験を行う。また、野外調査と実験の結果をコンバインドすることで向社会性の進化要因についても解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究プロジェクトでは、カワスズメ科魚類における向社会性(=他者に利益を与える性質)・協力について、野外調査と飼育実験を通じて明らかにすることを目的としている。特に、カワスズメ科魚類の「向社会性=他者に利益を提供する性質」の認知基盤(向社会性を発露させる認知能力・心的動機が向社会性の特定)、生理神経基盤 (向社会性を駆動するホルモンや神経・脳機能の特定)、進化基盤(向社会性を進化される環境要因の特定)を並行して解明することにより、これまで見過ごされてきた魚類の「向社会性」や「協力」について詳細に記載し、脊椎動物の向社会性進化に新たな視点を提供することができるだろう。 本年度はコロナ禍の流行により、アフリカ大陸ザンビア共和国ザンビア共和国領内にある古代湖タンガニイカ湖における野外調査を断念し、予算の一部を来年度に繰り越した。代替的に、この期間中は飼育下でのカワスズメ魚類の行動観察に注力した。特に南米シクリッドのコミュニケーション、劣位行動とグループメンバー間のハラスメント軽減機構についての実験を行った。現在、動画データを解析中である。また、タンガニイカ湖産カワスズメ科魚類において、協力的な社会=協同繁殖を進化させる要因として捕食圧に着目した研究を展開する。現在、解析に必要な対象種の系統情報・生態、社会構造の情報などを集積した。これにの情報を統合することで、魚類において協力的な社会を進化させる要因について明らかにできるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、調査の実施が遅延したため
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の情勢を鑑みて、ザンビア共和国タンゴニイカ湖において野外調査を実施し、種間比較用の社会構造データおよび生活史形質データを収集する。
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