研究課題/領域番号 |
20J01255
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大内 彩子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 海馬 / 歯状回 / 苔状細胞 / 鋭波リップル / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
海馬CA3野における複数の錐体細胞が同時に活動することによって生じる鋭波リップルという脳波は、記憶形成の様々な過程や将来の意思決定など高次機能に重要である。鋭波リップルの情報伝達経路には、大脳皮質への順行性伝播と歯状回への逆行性伝播の2つの神経路が存在する。順行性伝播に関する知見は数多く蓄積されているが、逆行性伝播(以下、リバース伝播)に関する知見は研究手法が確立されていなかったため、ほぼ皆無である。本研究は、光遺伝学的手法を用いてリバース伝播の経路を遮断する技術を確立し、行動試験を組み合わせることで、リバース伝播の学習や記憶への寄与を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
神経情報は、何層もの神経回路を経て階層的に伝達されることで、記憶や学習などの高次機能が発揮される。しかし、各層に含まれる細胞数は一様ではなく、極めて少数の細胞で構成される層がある。このような小さな層を通過する神経情報がどのように処理されるのかについては明らかではない。本研究では、海馬CA3 野の複数の錐体細胞が同時に活動することによって生じる鋭波リップルが歯状回へ伝達される経路に着目した。この二領域の神経路の中間層として位置するのが苔状細胞であり、その数はCA3 野や歯状回に存在する神経細胞の数よりも圧倒的に少ない。 過去の知見より、鋭波リップルの波形は多様であり、波形自体に海馬情報のコンテンツが反映されることが示唆されている。私は、in vitro パッチクランプ記録法により鋭波リップル発生時における苔状細胞の閾値下膜電位を最大5 細胞まで一斉に観察し、独自に開発した機械学習手法を組み合わせた。そして、鋭波リップルによって活動する苔状細胞の膜電位と、鋭波リップルの波形を関連付けることで、鋭波リップルの神経情報がどのように苔状細胞に伝達され、符号化されるのかを調べた。
私は、異なる波形同士を関連付けて学習する機械学習手法を開発し、苔状細胞の膜電位情報から鋭波リップルの情報を再現することに成功した。本モデルでは1つの苔状細胞の波形から、1つのデータセットで記録された全鋭波リップルの9.2%(平均値)を予測することができた。また、同時に記録する苔状細胞の数が多いほど、予測できる全鋭波リップルの割合はほぼ直線的に増加した。その結果、同時に記録した5つの苔状細胞の膜電位情報によって、全鋭波リップルの30%以上が予測可能であることを明らかにした。 以上より、鋭波リップルの情報が苔状細胞に効率的に分配され、苔状細胞同士が連関しながら海馬の情報を符号化することを明らかにした。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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