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デザイナブル分子夾雑系を利用した機能性ナノ構造化材料の自在創製

研究課題

研究課題/領域番号 20J01280
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分35020:高分子材料関連
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛

研究代表者

秦 裕樹  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター, 助教 (30872981)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード分子夾雑系 / 高分子クラウディング / 重なり濃度 / 排除体積 / 分子集合化 / 結晶化 / ナノ構造 / 医薬品原薬
研究開始時の研究の概要

化学実験は一般に混じり気のない溶液中で実施されるのに対して、我々生体内では化学現象が、様々な分子や微粒子が超高濃度で存在する複雑な環境(分子夾雑系と称される)で起こっており、必然的に分子夾雑系の影響を受けることで化学現象が制御されている。本研究ではそれに倣い、試験管内において分子夾雑系をデザインして構築し、それにより人工系における分子集合化を精密制御し、緻密なナノ構造をもつ新たな機能性材料を創製することを目指す。

研究実績の概要

溶解した高分子からなる夾雑系における分子結晶化を調査した。相互に結合する二種類の四分岐型ポリエチレングリコール(PEG)をプレポリマーとして用いた液相合成により、分子量が異なる様々なPEGを完全溶解状態で調製した。結晶性モデル分子としてカフェインを用い、その結晶化挙動への高分子夾雑の影響を評価した。
合成したPEGは流体力学半径が4、9、および20 nmであり、それらの1~60 g/L水溶液中においてカフェインを結晶化させた。その結果、いずれの条件においても溶液が白濁し、これはカフェインの微結晶の生成に起因することが光学顕微鏡観察ならびに広角X線回折測定によりわかった。そこで溶液の濁度をカフェイン結晶化の指標とし、その経時変化を評価した。PEG濃度が1~20 g/Lの希薄領域では、PEGが高分子量ほど濁度の増加速度が大きかった。これは、高分子量PEGがカフェインの結晶化を促進することを示している。高分子の排除体積に由来する枯渇引力がカフェインの分子クラスター間にはたらき、結果として結晶核形成が促進されるためと推察される。
一方で、重なり濃度以上の準希薄領域である60 g/LのPEG溶液中では、カフェインの結晶化速度にPEG分子量依存性がなかった。これは、準希薄領域の高分子溶液の特徴サイズがブロッブであることに起因すると推察される。ブロッブは枯渇引力をはじめとする様々な高分子溶液特性を決定する基本ユニットであり、準希薄領域ではそのサイズに分子量依存性がない。それゆえ、本系ではカフェイン分子クラスター間にはたらく枯渇引力が同程度となり、結果として結晶化速度にPEG分子量依存性がなかったものと推察される。
以上から、高分子の重なり合いが、結晶化に基づく分子集合化挙動を誘導することが明らかとなった。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Molecular crystallization directed by polymer size and overlap under dilute and crowded macromolecular conditions2021

    • 著者名/発表者名
      Hata Yuuki、Li Xiang、Chung Ung-il、Sakai Takamasa
    • 雑誌名

      Polymer Journal

      巻: 53 号: 5 ページ: 633-642

    • DOI

      10.1038/s41428-021-00461-7

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Self-assembly of cellulose for creating green materials with tailor-made nanostructures2021

    • 著者名/発表者名
      Hata Yuuki、Serizawa Takeshi
    • 雑誌名

      Journal of Materials Chemistry B

      巻: - 号: 19 ページ: 3944-3966

    • DOI

      10.1039/d1tb00339a

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 高分子クラウディングおよび希薄環境下での分子結晶化における排除体積と重なり合いの効果2021

    • 著者名/発表者名
      秦 裕樹、Xiang Li、鄭 雄一、酒井 崇匡
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 高分子クラウディングおよび希薄環境下での分子結晶化における高分子の排除体積と重なり合いの効果2021

    • 著者名/発表者名
      秦 裕樹、Xiang Li、鄭 雄一、中村 伸吾、石原 雅之、酒井崇匡
    • 学会等名
      第70回高分子学会年次大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 希薄およびクラウディング状態の高分子の排除体積と重なり合いによる分子結晶化の誘導2021

    • 著者名/発表者名
      秦 裕樹、Xiang Li、鄭 雄一、中村 伸吾、酒井 崇匡
    • 学会等名
      第31回バイオ・高分子シンポジウム
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-06-18  

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