研究課題/領域番号 |
20J01491
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
向村 九音 茨城大学, 人文社会科学部, 特別研究員(PD) (80861658)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 今出河一友 / 寺社縁起 / 由緒 / 大和国 / 石上神宮 / 大神神社 / 率川神社 / 天河弁財天 / 持聖院 / 補陀落山惣持寺 / 遍照山西福寺 / 南都 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近世において大和国の神社の縁起(由緒)・僧伝がどのような場で、どのような背景のもと、生成されていたのかを考察するものである。具体的には、大和の在地神道家である今出河一友と、一友と交流のあった南都の神職らに注目する。彼らがどのような典籍を書写して共有し、それぞれの著作の中でいかなる言説が語られていたか、明らかにしていく。また、寺社の蔵書蓄積・開示が彼らの活動にどのように影響したかも、併せて考察する。 加えて、真言宗の一脈である新安流が興る流れの中で縁起(由緒)・僧伝がどのように述作されたかという問題にも取り組み、近世における今一つの縁起(由緒)・僧伝の形成・活用のあり方にも考察を及ばす。
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研究実績の概要 |
当初、最終年度は「南都の特殊性」の問題に取り組むことを目標として掲げていた。しかしながら、コロナ禍の影響により寺社調査を行いにくく、寺社の収書や蔵書開示、ならびに神職・神道家らの交流の実態を解明しづらい状況にあった。そこで、研究テーマを横への広がりから縦の繋がりに軌道修正し、以下のような研究を行った。 【1】近世前期以前の由緒の検討 従来中心的に取り扱ってきた近世中期に先行する時代の石上神宮の由緒を批判的に検討し、実際には奥書通りの成立ではなく、近世中葉に、ある由緒を創作する上での典拠資料とするために偽作・改作されている例(『石上布留神宮要録』)があることを明らかにした。一方、社家の記録などから、近世前期以前に遡るであろう説も見出した。以上のように、近世前期以前に遡るとされていた諸説を検討し、近世中葉に至るまでの石上神宮由緒の変遷について考察した。この研究成果は「今出河一友による石上神宮神宮寺伝来の縁起の改変―『石上布留神宮要録』を中心に―」(『ビブリア』158、天理大学附属天理図書館、2022.10)として公開した。 【2】近世と近代の由緒語りの比較 明治初頭に率川神社が春日社摂社から大神神社摂社へと公的に切り替わる際の動きに注目した。この時、大神神社宮司渡邊玄包によって作られ、内務省へ提出された由緒書『率川神社考証』においては、近世に作り出された「あるべき古代像」が継承され、かつ、近世同様、国史・家牒を繋ぎ合わせ、正当な由緒を紡ごうとしていることが認められた。近世と近代の比較においては差異が注目されがちだが、近世から近代への過渡期の共通性を丁寧に見ていくことで、その連続性を提示することができた。以上の研究成果は「今出河一友の由緒制作と近代における率川神社の由緒語り」(伊藤聡・斎藤英喜編『神道の近代 アクチュアリティを問う』(『アジア遊学』281)、勉誠出版、2023.3)としてまとめた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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