研究課題/領域番号 |
20J01503
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
山崎 曜 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特別研究員(PD) (40816021)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 組換え抑制 / 遺伝子流動 / スーパージーン / 連鎖不平衡 / 適応進化 / 遺伝的基盤 / 全ゲノム解析 / トゲウオ科 |
研究開始時の研究の概要 |
異なる環境に適応した集団間で遺伝子流動と組換えが起きた場合,複数ある適応遺伝子座の最適なアリル間のセット関係が破壊される. ここでもし適応遺伝子座同士が,逆位や遺伝子の位置の変化などによって強固に連鎖していれば,組換えが起き難くなり,最適なアリルセットは維持され易いと予想される.本研究の目的は,異なる環境に適応した集団間で起きる有害な遺伝子流動が,この連鎖の進化を促進したかを検証することである.材料には,繰り返し起きたイトヨの海域から淡水域への進出を用いる.淡水型と海型の間で遺伝子流動がある場合は,適応に関与した領域と組換え抑制領域が重複しやすく,無い場合には両者の関連が弱いことが期待される.
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研究実績の概要 |
本課題では「集団間の非適応的な遺伝子流動が組換え抑制の進化を促進する」という仮説の検証を,トゲウオ科魚類を対象にして進めている.研究では主に遺伝子流動のある欧米の淡水型と海型,遺伝子流動レベルが低い日本の淡水型と海型のそれぞれの間の適応関連ゲノム領域や組換え抑制領域の分布を比較することで仮説の検証を進めている.本年は3年計画の2年目であり,以下の結果を得た.第一に,これまでに国内と海外の複数の集団より得ていたロングリードシーケンスをデノボアッセンブルし,集団ごとの参照ゲノム配列を得た.それらを比較したところ,各地域の淡水型と海型の間で多数の逆位領域の存在が明らかとなった.生態型間で遺伝子流動を経験した集団では,経験していない集団と比較し逆位領域の遺伝的分化が有意に上昇しており,逆位が実際に遺伝子流動を制限していることが示された.また系統解析を行うことで,逆位領域の進化史が明らかとなった.これまで日本の淡水型は欧米で見られる逆位領域を保持していないと予想していたが,一部の集団で欧米と同祖な逆位を保持していることが分かった.現在,逆位以外にも転座や転位も含め,ゲノムの構造変異が遺伝子流動とどのような関係にあるのかをさらに追究している.第二に,淡水適応に関与した形質変異の候補遺伝子についてゲノム編集実験を行い,実際にその遺伝子が形質の発生に重要である証拠を得た.第三に,ゲノムアセンブルの質の向上とTopologically Associating Domainの同定を目的としたHi-C解析を行った.データは取得済みであり,現在解析を進めている.
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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