研究課題/領域番号 |
20J01599
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菊地 一輝 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生痕多様性 / 生物撹拌強度 / 海底扇状地 / 画像分類モデル / 生痕学 / 堆積学 / 画像分類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,底生動物の行動を記録した化石である生痕化石に着目することで,白亜紀/古第三紀境界の大量絶滅に伴う深海底生動物群集の変遷史を解明することを目的とする.白亜紀/古第三紀境界の大量絶滅では,地球上の約76%の生物種が絶滅した.しかし,その証拠となるデータは浅海域の殻をもつ生物の体化石記録に偏っており,体化石記録の乏しい深海域での底生動物群集の変化は未解明である.一方で,生痕化石は,体化石に比べて深海域においても保存されやすい.そこで本研究では,生痕化石の種数や底生動物の活動度という観点から,大量絶滅とその後の回復による海洋生態系の入れ替わりがもたらした底生動物群集の変化を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本年度は,底生動物が堆積物を撹拌・再堆積させた度合いを示す生物撹拌強度を,海底掘削コア画像から自動推定するモデルを開発した.また,上部白亜系から始新統の海底扇状地堆積物の調査を行い,堆積環境の復元と生痕化石群集の記載を行った. 海底掘削コア画像から生痕化石を自動抽出するモデルを,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を応用して実装した.コア画像と手動で生痕化石を抽出した画像との関係をCNNに学習させたところ,本研究で生成されたモデルは約89%の精度で生痕化石を抽出することに成功した.このモデルを,国際深海科学掘削計画(IODP)で掘削されたベンガル湾沖の中新世の海底扇状地堆積物のコア画像に適用し,約1,000万年間にわたる生痕化石Phycosiphonの産出頻度の変動を復元した.その結果,本生痕属の産出頻度は泥の堆積速度の変化と有意な正の相関をもつことが明らかになった.このことは,本生痕属の形成者の日和見主義的な生存戦略を反映していると考えられる.今後,本研究のモデルの適用範囲を他の生痕分類群に拡張し,他のコア画像データに応用することで,生物撹拌強度や生痕化石の多様性の普遍的な変動が復元されることが期待される. 紀伊半島西岸部の始新統音無川層群の調査では,岩相と生痕化石産出層準の空間分布を詳細に把握した.この地域の音無川層群は東西方向の軸を持つ褶曲群と東西走向の断層群によって強い変形を被っており,羽六層下部の泥岩優勢砂岩泥岩互層が繰り返し露出する.このうち,羽六層最下部の層準からは深海環境の指標種と考えられている生痕化石が多産した.また,沖縄県の始新統嘉陽層では,フロンタルスプレイ堆積物において深海指標種の生痕化石がよく観察された.今後,生痕化石の自動抽出モデルで得られたデータと野外調査データが統合されることで,詳細な堆積環境変動と生痕化石群集の関係が明らかになるだろう.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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