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君主号からみた中国魏晋南北朝隋唐時代における多民族社会の変容

研究課題

研究課題/領域番号 20J01878
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
研究機関京都大学

研究代表者

小野 響  京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD) (10889372)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード君主号 / 天可汗 / 唐 / 杜佑 / 『通典』 / 単于 / 中国史 / アジア史 / 魏晋南北朝史 / 天王
研究開始時の研究の概要

本研究の概要は、中国史における王や皇帝以外の君主号を取り上げ、皇帝を相対化して歴史の中に位置づけるというものである。天王や大単于という君主号が出現した魏晋南北朝から、皇帝が天可汗も称した唐までの時代は、皇帝を相対化できるほど称号のバリエーションが出現した時代として捉えなおすべき時代である。それぞれの君主号を分析することによって、なぜその称号が用いられ、どのように運用されたのかを検討する。

研究実績の概要

本年度は、研究課題「君主号から見た中国魏晋南北朝隋唐時代における多民族社会の変容」の中で取り扱う君主号の中から、特に「天可汗」を選び研究を進展させた。当初の計画で「唐皇帝の天可汗併称と皇帝号の変質に関する検討」と題していた部分である。また、その検討の過程で唐代に編纂された『通典』への検討の必要性が生じた。以下、順を追って確認していく。
天可汗に関する研究は、前年度の報告「現実と観念の天可汗―唐代における天可汗の拡大解釈―」を踏まえ、論文化した「天可汗の現実と理想―拡大解釈された唐太宗の天可汗」(『東洋史研究』81巻3号、2022年)がある。本稿によって、唐太宗の天可汗とは所謂四夷全体を統括するようなものではなく、突厥と唐との関係においてのみ用いられた称号であった事を明らかにした。また、そうであるにも関わらず、何故、唐が四夷に君臨する象徴として天可汗が用いられたのかというと、それは『通典』がそのような天可汗を叙述したからだと思われる。ここに『通典』を史料批判的に研究する必要が生まれた。
『通典』に関する研究としては、「試論《通典・職官典》―従杜佑的思想和《通典》叙述的関係切入」南京師範大学主催シンポジウム「中古時代的文本世界与物質世界」(オンライン開催)2022年6月19日(中国語発表)を行い、『通典』職官典が杜佑の思想にかなり影響を受けた叙述を行っている事を指摘した。これは『通典』が必ずしも客観的な記録の集成とは見做せない事を意味する。また、職官典の中でも特に太僕卿に着目し、論文「『通典』職官典叙述小考」(『歴史文化社会講座紀要』20号、2023年)を公刊した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (25件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 『通典』職官典叙述小考―太僕卿条を手掛かりとして―2023

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      歴史文化社会講座紀要

      巻: 20 ページ: 1-16

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大単于の復活と消滅―魏晋南北朝時代における「単于」―2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      集刊東洋学

      巻: 127 ページ: 21-40

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 西晋における単于―元会儀礼における匈奴南単于の位置付けを中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      立命館東洋史学

      巻: 45 ページ: 139-163

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 天可汗の現実と理想―拡大解釈された唐太宗の天可汗2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      東洋史研究

      巻: 81-3 ページ: 39-64

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「禿髪樹機能の乱」再考2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      六朝学術学会報

      巻: 23

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] “黄龍国”小考2022

    • 著者名/発表者名
      小野響(江琳訳)
    • 雑誌名

      『祝賀張学鋒教授還暦記念論集(仮題)』

      巻: -

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 潜埋・虚葬小考―所謂「漢故上党国王太夫人薦功碑」を手掛かりとして―2021

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      阪南論集 人文自然科学編

      巻: 57-1 ページ: 17-26

    • NAID

      120007167739

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 烏桓における単于の導入―三郡烏桓王権の変化と非漢族への単于授与2020

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      立命館東洋史学

      巻: 43 ページ: 53-106

    • NAID

      120007034790

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 陶侃出自考―六朝時代における「渓」再考―2020

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 雑誌名

      立命館文学

      巻: 669 ページ: 122-136

    • NAID

      40022378814

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 試論《通典・職官典》―従杜佑的思想和《通典》叙述的関係切入2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      南京師範大学主催 シンポジウム「中古時代的文本世界与物質世界」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 唐代における義兄弟結合と皇帝2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      アジア史連絡会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 正史における礼志と五行志の位置付け2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      漢唐史研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 李猛《“東兵”与“西兵” 随鎮部曲与南朝政治》評議2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      中国中古史青年学者聯誼会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 現実と観念の天可汗―唐代における天可汗の拡大解釈―2022

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      六朝史研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 大単于始末記―漢魏晋十六国における単于の変遷―2021

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      六朝史研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 西晋的単于―以元会儀礼中匈奴南単于的位置為中心2021

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      中国社会科学論壇(2021年、歴史)「中国中古制度・礼議与西秦生活国際学術検討会」
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 「禿髪樹機能の乱」再考2021

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      第十六回三国志学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 「黄龍国」小考2021

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      第二十五回六朝学術学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 鄭桜桃商カク(木篇+ウ冠のツル)―後趙とケイ(栄+火火)陽鄭氏―2021

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      第九回アジア史連絡会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 五胡十六国時代における天王と天子2020

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      六朝史研究会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 尹波涛「略論後趙石氏的先世攀附与正統建構」評議2020

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      辺疆・民族・歴史青年学者論壇之五「档案、碑石与出土文献―基于新見史料的中国民族史研究」
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 匈奴漢における漢―魏晋南北朝時代における漢という旗印の一齣―2020

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      第三回漢唐史研究会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 概説される漢王朝―冨谷至・森田憲司編『概説 中国史 上 古代―中世』を中心として―2020

    • 著者名/発表者名
      小野響
    • 学会等名
      第四回漢唐史研究会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] 漢とは何か2022

    • 著者名/発表者名
      岡田和一郎、永田拓治
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      東方書店
    • ISBN
      9784497222039
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] 後趙史の研究 汲古叢書1622020

    • 著者名/発表者名
      小野 響
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      汲古書院
    • ISBN
      9784762960611
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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