研究課題/領域番号 |
20J10039
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
別府 航早 九州大学, 理学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アクティブ乱流 / 遊泳バクテリア / 幾何法則 / キラリティー / エッジカレント / フラストレーション / 細胞骨格 |
研究開始時の研究の概要 |
高密度な遊泳バクテリア集団は互いに相互作用することで多数の渦が入り乱れる乱流のようなダイナミクスを示す.そこには,同じ向きに回転して相互作用する渦や互いに反対向きに回転する渦のパターンが内在しており,渦間の中心間距離と渦の半径の比の幾何学量が√2を閾値として多彩な渦パターンを決定づけるということが見出された.バクテリアの乱流ダイナミクスに潜む幾何学的普遍法則を解明するために,バクテリアの持つキラリティーや3つの相互作用する渦のような多体相互作用の効果を渦の幾何学から明らかにしていく.
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研究実績の概要 |
高密度な遊泳バクテリア集団は乱流のような集団運動(アクティブ乱流)を形成する.我々は,アクティブ乱流の物理法則を明らかにするため,内在する秩序渦の幾何学に着目した.相互作用する秩序渦には同方向回転の強磁性的渦と反対方向回転の反強磁性的渦がある.微細加工技術により二つの相互作用する渦の中心間距離Δと半径Rを制御すると,幾何学量Δ/R=√2を閾値として,強磁性/反強磁性転移が起こるという幾何法則が明らかとなった.しかし,三つの渦間でフラストレーションが生じる場合,強磁性的渦が安定化され,転移点がずれることが確認されており,従来の幾何法則を与えたVicsekモデルでは説明できない問題であった.そこでVicsekモデルの連続体記述であるToner-Tuモデルを用いてシミュレーションを行ったところ,従来の幾何法則,及び3体相互作用における転移点のずれも再現する結果となった.このモデルの詳細な理論解析がアクティブ乱流の幾何的普遍性の解明の鍵となる. 個々のキラリティーのアクティブ乱流への影響を調査するため,上下非対称界面を有するデバイスを開発した.この系では,集団運動の回転の対称性が破れ,キラルな渦,及びキラルなエッジカレントが出現した.密度解析により,上面側の密度の高まりが出現の起源となることを突き止めた.エッジカレントは強磁性的渦を安定化することも見出しており.キラリティーを介したアクティブ乱流の新たな制御原理の解明に成功した. また,多様な系の幾何学的普遍性を探求するため,キネシンに駆動される微小管集団の幾何法則を調査した.同様の双子型円境界で実験を行ったところ,Δ/Rに依存して二種のバンドル構造が形成された. Vicsekスタイルモデルの理論解析から,これらの転移は幾何学量Δ/R=√2で起こることが明らかになり,アクティブマターにおける幾何学的普遍性の存在が示唆された.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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