研究課題/領域番号 |
20J10047
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永濱 藍 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 展葉フェノロジー / 開花フェノロジー / 結実フェノロジー / 熱帯山地林 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、①熱帯山地林の展葉・開花・結実フェノロジーを記述すること、②それらに影響する気象要因(気温・降水量・日長・湿度)を特定することを目的とする。①のために、熱帯山地林と暖温帯林に共通する分類群(ブナ科・クスノキ科など)に着目し、それらの間で、展葉・開花・結実フェノロジーの類似性・相違点を明らかにする。②のために、熱帯山地林の気象観測と、ブナ科における遺伝子発現解析を行い、それに伴う展葉・開花・結実フェノロジーを記録する。これらを通して、熱帯山地林の展葉・開花・結実フェノロジーを分子生態学的に理解することで、気候変動に対する森林フェノロジーの応答予測が可能になると期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、①熱帯山地林の展葉・開花・結実フェノロジーを記述すること、②それらに影響する気象要因(気温・降水量・日長)を特定することを目的としている。本年度は、COVID-19感染拡大による海外への渡航制限を受けて、ベトナムのBidoup-Nui Ba国立公園におけるフェノロジー調査が行えなかったため、これまでの調査記録を用いた統計解析を行った。その結果、5調査区(標高1660-1920 m)全体の観察対象91種全てが雨季始めに展葉したが、観察期間中に開花した種は64種にとどまり、一年の中で明瞭なピークは見られなかった。この結果より、1年周期で咲く種と数年に一度咲く種の共存が示された。また、展葉フェノロジーは日長・気温・降水量の影響を、開花フェノロジーは日長・降水量の影響を有意に受ける一方で、結実フェノロジーに対する気象要因の影響は小さいことが明らかになった。 さらに、東・東南アジア9地点における展葉・開花・結実フェノロジーパターンの比較のために、東・東南アジアの9地点(温帯林2地点・亜熱帯林2地点・季節性熱帯林1地点・熱帯雨林2地点・熱帯山地林2地点)における先行研究の展葉・開花・結実フェノロジーデータを用いて、クラスター分析を行った。その結果、熱帯山地林2地点(マレーシア・キナバルとベトナム・ビドゥップヌイバ)の気候(日長・気温・雨量)のパターンは異なっていたが、フェノロジーパターンは類似した。これより、森林のフェノロジーに影響する他の気候要因の存在が示唆された。 そして、これらの結果と、被子植物が東南アジアの熱帯山地林に起源するという先行研究の仮説に基づき、群集のフェノロジーが、各地の気象と相関して多様化する過程を示す新たな仮説を構築した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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