研究課題/領域番号 |
20J10103
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 美樹 広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 脳梗塞 / PM2.5 / 相加的神経炎症 / ミクログリア / AhR |
研究開始時の研究の概要 |
微小粒子状物質(PM2.5)の標的器官として,新たに中枢神経系が着目されている。近年,PM2.5曝露下では脳梗塞発症後の入院期間が延長し死亡率が上昇するなど,脳梗塞予後が悪化するとの疫学的報告が増加しているが,そのメカニズムは不明である。本研究はPM2.5による炎症に加えて虚血性の炎症が生じる「相加的神経炎症」を脳梗塞の予後悪化の仮説とし,動物実験と培養細胞実験を駆使した多階層でのアプローチにより,相加的神経炎症後の個体における病態から炎症惹起に関連する分子に至るまで統合的に解析する。
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研究実績の概要 |
2021年度は,PM2.5曝露による脳梗塞予後の悪化について,①PAHs-AhR経路を介した神経炎症,および②脳虚血後の炎症性合併症である脳浮腫の寄与を示すことを目指し,研究を行なった。 ①これまでにPM2.5曝露による脳梗塞予後悪化には,PM2.5に含まれる多環芳香族炭化水素(PAHs)による神経炎症惹起が重要である可能性を示した。詳細なメカニズムを解明すべく,PAHsの受容体である芳香族炭化水素受容体(AhR)に着目した。8-12週齢の雄性C57BL/6JJc1マウス(AhR-WT)およびAhR遺伝子ノックアウトマウス(AhR-KO)を用いて,PM2.5(100 μg/mosue/day)を7日間経鼻曝露し,脳虚血を誘導した。虚血7日後までRortarod testによりマウスの運動能力を測定した。その結果,AhR-WTマウスではPM2.5曝露により虚血1日後の運動能が悪化したが,AhR-KOマウスでは悪化が認められなかった。これにより,PM2.5による虚血後の運動機能悪化にPAHs-AhR経路が寄与することが示された。 ②神経炎症惹起による運動能力悪化について,脳浮腫に着目し解析した。脳浮腫は,血液脳関門のバリア機能低下により生じる。過剰量の水分が脳実質へ蓄積するために脳体積が膨大化し,頭蓋内圧が亢進することで脳機能が低下する。よって,PM2.5による神経炎症と虚血後の神経炎症の相加作用により脳浮腫が増悪することで運動機能が低下する,との仮説を立てた。8-12週齢の雄性ICRマウスにPM2.5を7日間経鼻曝露し,脳虚血を誘導した。核磁気共鳴画像(MRI)の撮像およびTTC染色を同一マウス個体において実施し,各画像を重ね合わせることにより脳浮腫領域を評価した。その結果,Veh曝露マウスに比べてPM2.5曝露マウスでは,虚血1,3日後の脳浮腫領域が有意に増加した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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