研究課題/領域番号 |
20J10164
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鈴木 れいら 熊本大学, 自然科学教育部, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 植物寄生性線虫 / 根こぶ形成 / シロイヌナズナ / 網羅的遺伝子発現解析 / 植物感染性線虫 |
研究開始時の研究の概要 |
農業害虫であるサツマイモネコブセンチュウは、植物に感染すると、根に自身の巣である「根こぶ」を作る。この根こぶから植物の栄養を奪う為、植物は枯れたり、奇形になったりして商品価値を失う。その被害総額は年間数十兆円とも言われている。この被害を現象させる為にも根こぶ形成のメカニズムを解明することは急務である。根こぶ形成メカニズムの解明は農薬への応用だけでなく、植物と動物の相互作用について新たな知見を提供できると期待している。
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研究実績の概要 |
根こぶ形成におけるARF5を中心とした分子メカニズムの解析を試みた。研究計画通りに進んでおり、まず局所的なオーキシン合成と根こぶ形成の関係を明らかにするために解析を行った。その結果オーキシン合成酵素のYUC4が根こぶ形成時に発現上昇する事が分かった。さらに、yuc4変異体では線虫の成熟メスの数と卵塊数が減少し、卵塊形成時の根こぶのサイズが小さいことが分かった。また、yuc4では野生型に比べオーキシン量が減少していることも分かった。一方で、ARF5の発現には影響はなく、オーキシン合成とARF5は根こぶ形成においては独立した経路であることが示唆された。しかしながら根こぶ形成時の局所的なオーキシン合成が線虫の成熟に関与している可能性が高いことが示唆された。現在論文執筆中である。また、ARF5プロモーター解析の結果、根こぶにおけるARF5制御領域候補を3か所同定した。加えて、根こぶ形成時の遺伝子発現解析において、個体差を利用して発生誤差を補正することができる1細胞解析を応用した1根こぶ解析に挑戦した。7つのタイムポイントで計23個体の解析が終わり、最初期の根こぶ形成のトリガー遺伝子候補を30遺伝子と新規根こぶ形成関連遺伝子を10遺伝子同定した。現在解析中である。さらに、側根形成に関与しているPUCHII遺伝子と根こぶ形成との関係について解析を試みた。puchi-1変異体について線虫感染実験を行った結果、侵入数、根こぶ数、成熟メスの数、卵塊数に変化はなかった。しかし、根こぶ内部の観察の結果、puchi-1は野生型と比べ巨大細胞の形がいびつであることが分かった。さらに、PUCHIが極長鎖脂肪酸合成酵素のKCS1を介して巨大細胞の形態形成に関与していることが示唆された。以上のことはFrontiers in plant scienceに2021年9月にアクセプトされた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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