研究課題/領域番号 |
20J10176
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
羽柴 聡一朗 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 重力的粒子生成 / ストークス現象 / 再加熱過程 / シュウィンガー効果 / 粒子生成 / 真空崩壊 / トンネル効果 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、宇宙に存在する物質の究極的な起源や、観測からその存在が示唆されている暗黒物質や暗黒エネルギーの正体及びその生成方法といった宇宙理論における様々な問題を、包括的に説明するような理論の構築を目的としており、特に、重力的粒子生成という現象による解決を目指している。重力的粒子生成とは、「何も無い」とはどういう状態であるかを定める「真空」の定義それ自体が変化することで物質が生まれる現象であり、極めて一般的に生じ得ることが知られている。この現象を用いることで、特定のモデルの枠組みに縛られることのない普遍性のある理論として、宇宙理論の諸問題の解決策となることが期待される。
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研究実績の概要 |
本年度は、アメリカ合衆国ライス大学のAndrew助教授との国際共同研究を通して、ストークス現象を用いたフェルミオンの重力的粒子生成の解析を行なった。ストークス現象とは微分方程式の解が示す振る舞いのことであり、数学的には粒子生成と等価である。このため、ストークス現象についての数学的定理を応用することで、粒子生成を解析的に評価することが可能になるのである。これにより、数値計算によってその発生が示唆されていた現象、スピン3/2のフェルミオンがインフレーション終了後などに爆発的に生成する破局的生成(Catastrophic production)と呼ばれる現象の発生を、解析的に示すことに成功した。この研究結果については近日論文として公開される予定である。 また、クインテッセンシャル・インフレーションに基づいた宇宙再加熱過程の解析について、重力的粒子生成とはまた違う切り口として、シュウィンガー効果を用いたモデルの構築も新たに行った。クインテッセンシャル・インフレーションが擬スカラー場によって引き起こされる場合、インフレーション終了後にインフラトン(今の場合、擬スカラー)が転がり続ける段階においてヘリカルな電磁場が生じる。この時生成した電場によって更にシュウィンガー効果が引き起こされることで荷電粒子が生成されて熱化されれば、宇宙再加熱過程が実現出来るということになる。シュウィンガー効果によって生成された荷電粒子自体も電磁場を生成するため解析は一般的に極めて困難だが、本研究では適当な近似の下でこのバックリアクションを取り込んで解析的評価を行い、現在の観測結果を矛盾無く説明し得ることを示した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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