研究課題/領域番号 |
20J10260
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
野田 昇太 武蔵野大学, 人間科学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 社交不安症 / マインドフルネス / 否定的認知 / 回避行動 / 自己注目 / 認知行動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
社交不安症(Social Anxiety Disorder: 以下SAD)は,他者の注視を浴び得る社交場面に対する著しい恐怖や不安を本質的な特徴とする疾患である。日本におけるSADの有病率は1.8%である。SADの治療において認知行動療法が有効である。しかし,認知行動療法では改善しない者もいる。認知行動療法の効果を促進する介入技法として,マインドフルネス・トレーニングが挙げられる。マインドフルネス・トレーニングは,SADの症状だけでなく,その維持要因の改善にも寄与する。そこで,本研究ではマインドフルネス・トレーニングと認知行動療法を併用した治療プログラムを開発し,そのプログラムが社交不安症の改善に有効かどうかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
第一に,研究実施者は,横断的研究により,マインドフルネス特性が社交不安症状に及ぼすメカニズムを明らかにした。社交不安症(Social anxiety disorder: SAD)患者412名対象に質問紙調査を行い,マインドフルネス特性,自己注目,Cost bias,Probability bias,回避行動,社交不安との関連性を検討した。その結果,マインドフルンス特性が上記の維持要因を媒介して社交不安の改善に影響を及ぼすことが示された。 第二に,研究実施者は,マインドフルネスの中核的要素であるAwarenessとAcceptanceを測定する社会的状況におけるマインドフルネス尺度を開発し,信頼性と妥当性を検討した。その結果,内的妥当性,高い内的整合性,因子的妥当性,収束的妥当性,弁別的妥当性を有することを明らかにした。 第三に,研究実施者は,SAD患者を対象に簡易型Mindfulness and Cognitive Behavioral Therapyプログラム(MCBT)を実施した。対象者23名に簡易型MCBTを行ったところ,介入後,有意にSAD症状が改善された。効果量も中から強い効果量が算出された(d = 0.72-1.31)。この結果から,簡易型MCBTは,少ないセッションにもかかわらず高い介入効果が得られる治療法である可能性が示唆された。 第四に,研究実施者は,SAD患者を対象に高強度MCBTを実施した。目標対象者20名であったが,コロナの影響により,目標対象者数に達することができなかった。SAD患者5名に高強度MCBTプログラムを行ったところ,Cost biasとSAD症状に大きな改善が示された。特にCost biasは,1.2を超える効果量が算出され,かなり効果的であった。従来のCBTにおけるSADの寛解率は,およそ40%であったが,高強度MCBTを行った全ての患者が,SADの診断基準を満たさなくなった。今後,サンプル数を増やしてさらなる検討を行う。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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