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シロイヌナズナ生殖器官の熱ストレスによる形態変化を制御する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20J10326
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分44030:植物分子および生理科学関連
研究機関上智大学

研究代表者

片野 和馬  上智大学, 理工学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードCngc2 / Suc5 / 花粉水和反応 / 花粉管発芽 / Sweet8 / 茎頂分裂組織 / WUS / 柱頭 / 乳頭細胞 / 花粉柱頭反応 / 熱ストレス
研究開始時の研究の概要

Cngc2はシロイヌナズナの熱センサーとして働くカルシウムチャネルで、この遺伝子の欠損変異体は花芽から長角果(種子の袋)への早い移行(早熟)や、熱ストレス条件下で種子形成数の低下が起こる。
本研究は通常条件及び熱ストレス条件で培養したCngc2の欠損変異体を用いて、芽や花における葯の組織切片の観察や、受粉後の過程で起こる花粉管伸長や胚珠への到達までの経時観察を行い、早熟の原因を解明する。さらに、これらの現象に関わる遺伝子の発現を解析する。これらの研究結果を基に、熱ストレス条件下でCngc2が制御する生殖器官の発達や形態変化の分子機構を解明する。

研究実績の概要

前年度の研究結果により、Cngc2欠損変異体(cngc2)は花粉管の発芽が野生型よりも早く、花粉管の胚珠への到達率が高く、花粉柱頭反応が促進されている可能性が示唆された。また、糖輸送に関わる遺伝子発現が低下していたこと、さらに生殖器官や茎で可溶性糖の含有量が高くなっていたことから、「糖代謝の変化が花粉柱頭反応の促進に関わっている」可能性がある。
まず、cngc2で遺伝子発現の低下が見られたSuc1, およびSuc5の欠損変異体(suc1, suc5)を用いて、生殖成長期の生育特性を調査した。その結果、suc1は野生型と同様の生育特性を示したものの、suc5は生殖成長期移行後18日目の長角果の割合が63%と高く、cngc2と似た生育特性を示した。また、糖代謝に関する遺伝子発現は、cngc2,suc5ともに花粉に糖を輸送するトランスポーターとして働くSweet8の遺伝子発現が、WTと比較して有意に高かった。花粉中の可溶性糖は、ROS生成を活性化させることで、花粉水和反応を促進させる可能性がある。cngc2もsuc5も花粉の糖トランスポーターであるsweet8の遺伝子発現が増加していたことから、花粉中の糖の含有量が増えたことによってROS含有量が増加し、それが花粉水和反応を促進したことで花粉管の発芽が促進されたというメカニズムが示唆された。

次に、cngc2の生殖成長期移行後6日目、12日目の植物を用いて、茎頂分裂組織を含む部位をサンプリングし、幹細胞の維持に関わる遺伝子であるWus遺伝子の組織特異的発現解析を行った。6日目のcngc2の茎頂分裂組織におけるWusの発現はWTよりも高かったものの、12日目ではWTよりも低い傾向が見られた。従って、cngc2は生殖成長期の後半で幹細胞の維持ができなくなり、蕾や花に分化する数が減少するという可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Links between Regulatory Systems of ROS and Carbohydrates in Reproductive Development2021

    • 著者名/発表者名
      Hanako Kiyono, Kazuma Katano, Nobuhiro Suzuki
    • 雑誌名

      Plants

      巻: 10 号: 8 ページ: 1652-1669

    • DOI

      10.3390/plants10081652

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] What are the key mechanisms that alter the morphology of stigmatic papillae in Arabidopsis thaliana?2021

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Katano, Nobuhiro Suzuki
    • 雑誌名

      Plant Signaling & Behavior

      巻: 16 号: 12 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1080/15592324.2021.1980999

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Failure of pollen attachment to the stigma triggers elongation of stigmatic papillae in Arabidopsis Thaliana.2020

    • 著者名/発表者名
      Katano K, Oi T, Suzuki N.
    • 雑誌名

      Frontiers in Plant Science

      巻: 11 ページ: 989-989

    • DOI

      10.3389/fpls.2020.00989

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 花芽から長角果への早い移行を示すシロイヌナズナCngc2欠損変異体の植物生理学的解析2022

    • 著者名/発表者名
      片野和馬、清野華子、永尾有沙、鈴木伸洋
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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