研究課題/領域番号 |
20J10388
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
細田 幸希 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 学校数学 / 統計的モデリング / 非形式的な統計的推測 / データサイエンス教育 / 共変的推論 / 多変量データ / 統合的モデリングアプローチ / 不確実性 / 学習指導 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の学校数学における統計教育は,記述統計学を中心とした学習に偏っており,推測統計学の概念理解を反映した学習との繋がりが明確になっていないことが課題として挙げられている。 本研究では統計的モデリングに基づく学習指導に着目し,学校数学における統計的思考力の育成に関する指針を得ることを目的とする。そのために,統計的モデリングに基づく学習指導の方法を構築し,教材開発及び授業設計を行う。そして,最終的には教授実験を行い,開発した教材や設計した授業の改善を通して,統計的思考力の育成を目指した新たな学習指導への指針を提示する。
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研究実績の概要 |
今年度は,新型コロナウイルス感染拡大の影響により,実際の授業データに基づく実証的考察が困難な状況であったため,前年度の課題であった新たな統計的モデリングに基づく学習指導の在り方を考察することに取り組んだ。まず,仮説検定や区間推定に関する概念や考え方を用いて推論を行う非形式的な統計的推測(Informal Statistical Inference,以下,ISI)の概念に基づいて,前年度の研究の基盤である統合的モデリングアプローチ(以下,IMA)の活動を分析した。分析の結果,IMAは,ISIの第一の側面である,学習者自身が収集などして得た標本データの傾向を分析し母集団を推測する側面を具体化し反映したものであることを明らかにした。また,IMAはISIの第二の側面である,コンピュータシミュレーションを活用しながら標本分布の特徴を探索し,仮説検定や区間推定の基礎となる標本抽出の概念を理解する側面を促進する方法であることも明らかにした。これらの知見を論文としてまとめて,日本数学教育学会主催の秋期研究大会に投稿した結果,査読を経て論文発表の部として論文が受理された。 さらに,データサイエンス教育や,多変量データを活用した共変的推論に関するモデリングの枠組みに着目して学習指導の方法を検討した。その結果,データサイエンス教育では,学習者が設定した仮説とデータの傾向を相互に結びつけたり,モデルの構造の理解やモデルの評価を行ったりする学習を展開する必要があることを明らかにした。共変的推論に関するモデリングでは,高等学校段階において多変量データの傾向や構造とデータの無作性や偏りの違いを理解し,モデリングを通してISIを促す方法を理論的な側面から構築した。 以上のように本研究では,学校数学における統計的思考力を育成するための指針を,統計的モデリングの活動の重視として具体的に明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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