研究課題/領域番号 |
20J10803
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冨田 和孝 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | pMAIRS / GIXD / 分子配向 / 薄膜 / ポルフィリン / 分子間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
有機薄膜デバイスの開発では,薄膜中の集合構造を制御する技術が求められている.本研究では,X線回折法とMAIRS法を用いた詳細な構造解析に基づいて,薄膜中の分子集合構造の制御法の確立を行う.分子集合構造制御には,薄膜中の分子間相互作用に基づいたアプローチが必須であり,分子間相互作用の様子を敏感に捉えることができるMAIRS法が役立つ.ただし,従来のMAIRS法には,赤外光に不透明な基板上の薄膜は測定できないという欠点があるため,反射型MAIRS法の開発も行うことで,この欠点の克服も目指す.反射型MAIRS法ができれば,薄膜構造解析の幅を広げ,制御法の選択肢を増やすことができる.
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研究実績の概要 |
有機薄膜太陽電池(OPV)や有機薄膜トランジスタ(OTFT)などのデバイスは、薄膜中の分子配列(分子配向、結晶構造)が性能に大きく影響する。したがって、分子配列を意のままに制御する技術が求められている。これらのデバイスでは、一般的に表面不活性な基板が用いられるため、材料分子間の相互作用が、薄膜構造制御のカギとなる。本研究では、これまで構造制御に用いられていなかった、配位結合を用いた薄膜中の構造制御法を、微小角入射X線回折(GIXD)法とp偏光多角入射分解分光(pMAIRS)法による詳細な薄膜構造解析に基づいて確立した。
前年度までに、有機半導体材料のTetrapyridylporphyrin(TPyP)について、ポルフィリン環の中心金属を変えて、ピリジル基との配位能を調整することで、ポルフィリン環が立ち上がった(edge-on)配向から、寝た(face-on)配向までを制御できることを、1次元GIXD法とpMAIRS法を用いて明らかにした。
本年度は、新しく導入したX線回折装置を用いて、2次元GIXD測定を行い、MTPyP薄膜の結晶構造をより詳細に明らかにした。その結果、中心金属がCu(II)のとき、これまで報告されていなかったtriclinic結晶が含まれることがわかった。Triclinic結晶の形成は、Cu(II)のdx2-y2電子によって環の平面性が向上し、歪んだポルフィリン環を含むmonoclinic結晶の形成が阻害されたことが原因と説明される。すなわち、中心金属を選択することで、配位能だけでなく分子コンフォメーションも制御できることがわかった。この成果は2022年1月に国際的な学術誌Chemical Communicationsに掲載された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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