研究課題/領域番号 |
20J10869
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
吉田 一樹 山形大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 酸化膜 / 原子層堆積 / ガスバリア / 表面反応 |
研究開始時の研究の概要 |
フレキシブルエレクトロニクスの実用化のためには、材料自体をフレキシブルな素材で封止して、劣化を抑える技術(ガスバリア技術)が不可欠である。従来は硬いガラス封止が用いられたため、フレキシブルフィルムとしても柔軟さと透明性に欠ける素材でしか実現されていなかった。この問題の解決策として、本研究では基板を加熱することなく均一に金属酸化膜が形成できる室温原子層堆積法(室温ALD)を使用する。申請者は低温で結晶化しやすい酸化亜鉛(ZnO)を室温ALDし、IGZOのような2種類以上の酸化物を複合させた複合酸化膜による新規物性の創出とガスバリア膜への応用を室温で実現しようと考えている。
|
研究実績の概要 |
原子層堆積法を用いて樹脂フィルム上に金属酸化物ナノ薄膜を積層し、膜厚100nm程度で優れたガスバリア性を示す膜構造の抽出に取り組んだ。 今年度の取り組みとして、メインガスバリア層、バッファ層、表面保護層という目的の異なる三つを組み合わせた複合膜を作成した。また基板の違いによるガスバリア性能への影響を調査するために厚みの異なる基板や、ALD実施前に表面処理を施した基板を使用してガスバリア性能を評価した。メインガスバリアをアルミナ、バッファ層をTiO2、表面保護層をZnOとして厚さ0.25mmのPENフィルム上に多層積層膜を形成したところ、全体膜厚が100nmほどであるにもかかわらず水蒸気透過率2.5×10-4 g/ m2/ dayが得られた。この成果については令和4年3月に電子情報通信学会CPM研究会にて発表した。 室温ALDにおける表面反応メカニズム解明のために昨年度から引き続き水晶振動子マイクロバランス法を用いてALD中の質量変化を測定し、Nb2O5およびFe2O3成膜時の表面反応解析を行った。Nb2O5の表面反応解析結果は国際会議Atomic Layer Deposition 2021にて公開し、Fe2O3の室温ALDについてはJournal of Vacuum Science and Technology A誌にて論文公開されている。 昨年度得られた積層によるバリア性能向上については、最適な積層数と膜厚を見積もるためにアルミニウム薄膜上に積層数の異なる積層酸化膜を形成して、塩酸に対する耐腐食性を観察することで簡易にバリア性能を評価した。積層数の増加はバリア改善効果を示したが一定数を超えたところで飽和する傾向がみられ、バリア性能改善に向けた知見が得られた。積層数と各層の膜厚を調整することによって更なるガスバリア性能の向上が可能であると考えられる。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|