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海洋天然物を武器に紐解く造血サイトカイン受容体活性化の多様性

研究課題

研究課題/領域番号 20J11377
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分40040:水圏生命科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

辺 浩美 (2020)  北海道大学, 水産科学院, 特別研究員(DC2)

特別研究員 辺 浩美 (2021)  北海道大学, 水産科学院, 特別研究員(DC2)
研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード海洋天然物 / レクチン / トロンボポエチン / 造血 / トロンボポエチン受容体 / 糖鎖
研究開始時の研究の概要

血液中の血小板は造血幹細胞と呼ばれる細胞から分化して形成される。その際にトロンボポエチン(TPO)というサイトカインにより分化が促進される。本研究では、海洋生物抽出物を対象に“ヒト血液細胞の分化に関わる新しい化合物”のスクリーニングを行ったところ、TPOに似た活性を持ついくつかのサンプルが得られた。これらについて活性本体の分離精製を進めたところ、新規タンパク質であるトロンボコルチシン(ThC)を見出した。これまでの結果からThCはTPOとは異なる機序で作用している可能性が強く示唆されており、ThCによる新しい作用機序の解明を目指す。

研究実績の概要

昨年度の結果から、ThCはTPO受容体上のN117上の糖鎖に結合し受容体の活性化を引き起こしていることが明らかとなった。
そこで、ThCのX線結晶構造解析を行い立体構造を調べたところ、ThCは上下反転した状態で2量体として存在し、対角線上に2カ所の糖結合部位を持つことが明らかとなった。この結果より、ThCの2カ所の糖結合部位によって2分子の受容体が架橋され活性化を導くと考えられ、これまでの仮説をさらに支持するものとなった。
次に、血液疾患の原因とされているCALR変異体とThCにおけるTPO受容体に対する作用を比較した。CALR変異体も受容体N117上の糖鎖に結合し活性化していることが示唆されており、その作用機序は類似している。最近の研究から、CALR変異体によるTPO受容体の活性化は、TPOによるものと異なった特徴を持つことが報告されている。通常、TPO受容体はTPOが作用すると、受容体が活性化し細胞内にシグナルを伝達した後、速やかに細胞内に取り込まれる。これはTPO量の調節や過剰なシグナリングを防ぐために重要な機構である。一方でCALR変異体による活性化時には、細胞内へ取り込まれず、シグナル伝達が長時間持続することが示されている。そのため、細胞の増殖や分化に異常をきたすと考えられている。そこで類似した機構を持つThCでの受容体の取り込み、シグナル持続時間を調べた。その結果、ThCにおいてもCALR変異体と同様の結果が得られた。これは “TPO受容体の糖鎖を介した活性化” における共通点であると考えられる。
本研究では海綿由来タンパク質ThCがヒトTPO受容体の新しい活性化機構の存在を立証した。今後、CALR変異体とより詳しく比較することで、疾患に関する新たな知見やTPO受容体N117糖鎖の生理的な役割に迫るきっかけへと繋がるかもしれない。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Hidden pathway for cytokine receptor activation: Structural insights into a marine sponge-derived lectin that activates the thrombopoietin receptor via recognition of the fucose moiety2021

    • 著者名/発表者名
      Watari Hiromi、Kageyama Hiromu、Masubuchi Nami、Nakajima Hiroya、Onodera Kako、Focia Pamela J.、Oshiro Takumi、Matsui Takashi、Kodera Yoshio、Ogawa Tomohisa、Yokoyama Takeshi、Hirayama Makoto、Hori Kanji、Freymann Douglas M.、Komatsu Norio、Araki Marito、Tanaka Yoshikazu、Sakai Ryuichi
    • 雑誌名

      bioRixiv

      巻: -

    • DOI

      10.1101/2021.10.29.466502

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] On the mechanism of sugar-chain mediated activation of thrombopoietin receptor (MPL)2021

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Watari, Hiromu Kageyama, Hiroya Nakajima, Kako Onodera, Nami Masubuchi, Takashi Matsui, Yoshio Kodera, Tomohisa Ogawa, Makoto Hirayama, Kanji Hori, Takeshi Yokoyama, Norio Komatsu, Marito Araki, Yoshikazu Tanaka, Ryuichi Sakai
    • 学会等名
      第83回日本血液学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Activation of thrombopoietin receptor by sponge derived protein: A Novel mechanism of activation of c-Mpl2021

    • 著者名/発表者名
      Hiromi Watari; kako onodera; Hiromu Kageyama; Nami Masubuchi; Marito Araki; Yoshikazu Tanaka; Norio Komatsu; Ryuichi Sakai
    • 学会等名
      Pacifichem 2021
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-12-25  

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