研究課題/領域番号 |
20J11535
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
CHUNG PUI YUEN 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | piRNA / RNA顆粒 / nuage / P-body |
研究開始時の研究の概要 |
トランスポゾンDNA配列による遺伝子突然変異を防止するため、動物では生殖細胞特異的にPIWIタンパク質とpiRNA小分子RNAが発現しており、トランスポゾンの発現を抑制する。カイコBmN4細胞では、PIWIとpiRNA生合成因子は、NuageとP-bodyという「piRNA生合成の反応場」と言われる顆粒状凝集体に局在することが判明されたが、其々の内容物、形成機構と生物学的意義はまだ解明されていない。本研究はカイコBmN4細胞におけるpiRNA関連構造体の動態に着目し、タンパク質の瞬間的接触を注目する「動的アプローチ」により、piRNA関連構造体の形成機構と意義を解明することを目指している。
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研究実績の概要 |
piRNA因子の誤局在によるpiRNA生合成への影響を調べるため、PIWIタンパク質BmAgo3とSiwiのslicer変異体、またはATPase活性を失ったnuageコア因子BmVasaの変異体の発現によるpiRNAの性質変化について解析を行なった。その結果、Siwi slicer変異体を過剰発現させた細胞は、通常だとほとんど合成されない成熟mRNA由来のpiRNAが顕著に増加したことを判明した。一方で、トランスポゾン由来のpiRNAの減少は認めなかったことから、Siwi変異体の発現によるpiRNA生合成への影響は限定的であり、piRNA前駆体の選別精度にのみ影響したと結論付けた。この現象の分子メカニズムを調べた結果、Siwi変異体は複数の関連因子のP-bodyへの局在量を増加させたことが分かり、nuageまたはミトコンドリア外膜上のpiRNA前駆体選別因子も同じようにP-bodyにある凝集体に巻き込まれ、結果的にP-bodyに局在する成熟mRNAがプロセスされたと推論した。ここまでの結果を纏めてEMBO Reportsにて発表された。
一方、P-bodyとnuageは外膜がないため、単離して内容物を同定するのは極めて困難である。そのため、顆粒形成の足場となるpiRNA関連構造体の全貌は未だに解明されてない。この問題を解決するため、本研究はタンパク質の瞬間的接触を捉える近接依存性標識法Proximity labeling(PL法)の実験系を立ち上がることを目指した。nuageコア因子をBirAタグと結合させ、ビオチン化された関連タンパク質をPAGE法で調べた。これらのマーカータンパク質の標識パターンの間には大きいな違いがあると泳動分析でわかった。この結果は質量分析(LC-MS/MS法など)によるプロテオーム解析の基礎となることが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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