研究課題/領域番号 |
20J11554
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
繁田 歩 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | カント / 非存在対象 / 無 / マイノング主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は我々にとって実際に対象となる事物の諸相を解明することを目標としている。日常的対象には見たり触ったりできる具体的な対象だけではなく、影や寒さのような欠如や、ユニコーンのような思考上の存在も含まれる。他方で哲学の対象について見れば、例えば自由のような抽象的で理念的な対象は客観的な倫理学の地盤としてリアリティをもつと論じられることがある。我々の対象とは何なのであろうか。上述の実感を哲学的に描き出す手がかりとして、本研究は我々の可能な認識の領域を一貫して議論したカントの思想を取り扱う。とくに、存在しないものに関する現代分析哲学の手法でカントの対象論を再解釈することを具体的な課題としている。
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研究実績の概要 |
本研究はイマヌエル・カントの『純粋理性批判』分析論末尾にある「無の表」というテキスト箇所に着眼して、カントにおける「対象」の概念を非存在対象を許容するマイノング主義の立場から再考する試みである。カントは無の表の箇所で対象一般の概念が「存在と無とについて未規定的」であるとしており、それがカテゴリー表の秩序にしたがって、存在の表と無の表とに区別されると記されている。つまり、カテゴリーという概念の対応先として漠然と想定されている対象は、認識の成否を問わなければそれだけとしては現象に限定されておらず、むしろ結果的には無と確定されるような非存在対象をも含むかなり放埓な概念として認められるべきなのである。『純粋理性批判』においてカントは存在の表ではなく、むしろ無の表を示すことで議論を終えており、このテキスト箇所に注目することは分析論の議論を成り立たせている土俵ともいえる広範な対象領域を確定するために不可欠な論点なのである。 2021年度の研究においては、①上述の非存在対象を許容するカントの対象論を理解するうための論理的基礎としてマイノング主義的解釈の中でも「様相マイノング主義」という立場に解釈上の利点があることを提唱すること、②カントにおける非存在対象の対象性と意義について無の表の各論に立ち入った検討を加え、欠如の表象について「0」という記号が何を表象内容として有しうるのかという問いに答えること、の二点が課題であった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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