研究課題/領域番号 |
20J11659
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター (2021) 慶應義塾大学 (2020) |
研究代表者 |
綿貫 慎太郎 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所生体恒常性プロジェクト, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / アデノシン三リン酸 / 解糖系 / 酸化的リン酸化 / 代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞(HSC)は造血ヒエラルキーの頂点に位置し、生涯に渡って個体の造血を担う細胞である。しかし、HSCと造血前駆細胞(HPC)の代謝動態を検討する上で、その計測に多数の細胞が必要であった。細胞内のエネルギー変換を担う主要な分子であるアデノシン三リン酸(ATP)に関しても、生きたHSCのATP動態の測定はされておらず、高感度かつ高精度に生きたHSCの代謝状態を計測する技術が望まれていた。我々はATPバイオセンサーであるGO-ATeam2のノックインマウスを用い、血液細胞内のATP量のリアルタイム絶対定量および様々なストレス条件下でのATP代謝動態の動的解析を行った。
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研究実績の概要 |
申請者はATP濃度のFRETバイオセンサーである”GO-ATeam2”を用い、造血幹細胞(HSC)の代謝動態の解明に取り組んだ。採用1年目において明らかとした加齢HSCのミトコンドリア代謝の強靭な可塑性、ならびに週齢にかかわらないHSCに特異的な代謝制御システムの分子機構についての詳細な研究を行った。 加齢HSCにおけるミトコンドリア代謝可塑性を規定する分子基盤として、定常状態においてATP産生に対する寄与が少ない電子伝達系複合体(ETC complex)が重要な役割を担うと仮定して研究を進め、ETC complex IIにより活性化される脂肪酸ベータ酸化(FAO)が加齢HSCにおいてより強力に活性化されうることを見出した。さらにその上流因子として、造血に必須なサイトカインであるTPO刺激によって維持され、かつETC complex IIの組み立てに必須であるSdhaf1タンパク量が加齢HSCにおいて増加し、その結果としてミトコンドリア代謝が強力に活発化されることを見出した。 HSCにのみ特異的な代謝機構の観点からは、増殖ならびに分化においては解糖系がPfkfb3依存的に活性化することを明らかにした。さらに、Pfkfb3の活性化は転写産物量依存的ではなくprmt1によるPfkfb3の翻訳後修飾に依存していることを明らかにした。 これらのHSCならびに加齢HSCにおける代謝システムの意義は、いずれもin vitroのシステムで各種阻害剤を用いて明らかとしたが、いずれの結論に対してもin vivoでの移植後再構築能評価を行い、その生体内での重要性も確認した。 本研究結果は、多くの生体や細胞数を必要とした従来の研究過程を大幅に短縮しうる画期的な技術となり、さらにはその技術を用いてこれまで困難であったHSCの網羅的な代謝測定による新規知見を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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