研究課題/領域番号 |
20J11725
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
萱場 千秋 立教大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アメリカ南部文学 / 黒人文学 / 奴隷制度 / 資本主義経済 / Zora Neale Hurston / ウィリアム・フォークナー / アメリカ文学 / 奴隷制 / 経済的補償 / 制度的レイシズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、奴隷制の「補償」を主題とする米文学作品を体系化するものである。ポストベラム(南北戦争終戦後)期の米国における人種とジェンダーの不平等は、とりわけ20世紀前半の米文学作品に多く描かれている。本研究では、経済という視座から奴隷制の行方を見据えたウィリアム・フォークナーの『行け、モーセ』(1942)を中心に、類比的・派生的な問題意識を持つ白人・黒人各4作家の作品を、作家の伝記的情報を補助線にしつつテクスト分析する。それにより、アメリカ文学史における人種研究の潮流の中に、「補償文学」という新たな切り口を提示したい。
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研究実績の概要 |
本研究は、20世紀の南部作家、及び、黒人作家の作品における奴隷制度に対する応答を、経済の表象から探究するものである。「補償」を主題としたWilliam Faulkner作品の研究論文の出版をもって1年目の課題を完了させた後、令和3年度、黒人作家の作品を探るという課題に移行した。主軸の研究として、Faulknerと同時代の南部黒人女性作家Zora Neale Hurstonの代表作Their Eyes Were Watching God(1937)のテクスト分析を行った。感染症の影響により文献調査等に遅れが出てしまったため、期間延長の承認を受けた半年間にて研究成果の取りまとめを行い、2022年9月に研究を完了させた。 これまで重ねてきたテクスト分析の研究成果を、2022年5月21日開催の日本英文学会第94回全国大会にて発表した。この研究発表では、米国における黒人資本家による縮毛矯正技術の商業化をめぐる文化史に着想を得て、白人中心の美的価値基準によって階級化された黒人コミュニティ内の不和を論じた。その不和の中心にいるのは、薄い色の肌と直毛の髪を持つ主人公の黒人女性であり、彼女は、周囲の黒人から「黒人中産階級」なる特権的な地位を与えられると同時に、その身体を商品化されている。こうした経済的思考法によって価値付けされた黒人社会の構造的な描出に示されているのは、奴隷制廃止後、黒人が市民権を得た南部において新たに出来することとなった特有の経済問題である。 これらの研究により明らかにされたのは、20世紀の南部作家、及び、黒人作家の作品群に託された経済的な倫理意識が、南部奴隷制という、肌の色により人間を区分する資本主義経済の特殊な一形態の構造を詳らかにするとともに、再建期以降の南部に出現する人種と性にまつわる暴力の歴史的文脈を看破していることである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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