研究課題
特別研究員奨励費
神経核内封入体病(NIID)の原因は,NOTCH2NLCの非コード領域におけるCGGリピート伸長が原因であることが同定された.その病態機序は不明であるが,非コード領域のリピート伸長病の病態機序として,RNA毒性(異常伸長したリピートRNAがタンパク質と結合しRNA fociを形成)やrepeat-associated non-ATG翻訳による異常タンパク(RANタンパク)の蓄積が想定される.病態機序解明のため,細胞モデルおよびマウスモデルの構築を目指す.
研究員は,神経核内封入体病の原因であるNOTCH2NLC遺伝子内のCGG伸長リピートを,GC-rich PCR法を用いて増幅し,フラグメント解析により,リピート長を推測することを可能とした.しかし,その一方で,伸長リピートを含む領域についてのPCR産物のクローニングは容易ではなかった.これは,7-Deaza-dGTPを用いていること,およびPCR法による増幅効率があまり良くないことが理由として考えられた.このことから,従来の方法に頼らず,伸長リピートを含む領域を増幅することを考えた.具体的には,無細胞長鎖環状DNA構築システムを応用することを考えた.本システムの開発者はこれまでに本システムを用いた大腸菌のゲノムDNAの増幅について報告しているものの,ヒトゲノムDNAへの応用についてはまだ報告されていない.したがって,まず,本システムを遺伝性神経変性疾患の解析に用いることとした.このシステムを用い,研究員は,学位論文「無細胞長鎖環状 DNA 構築システムを用いた神経変性疾患の分子遺伝学的解析」を執筆し,学位を取得した.現在,その内容について原著論文を準備しているところである.また,上記研究と並行し,研究員は,神経核内封入体病の新規例についての遺伝学的診断を昨年度同様,全国の施設から検体を受け入れ,行った.その中で,本疾患に特徴的な頭部MRI拡散強調画像での異常信号を欠き,小脳虫部に異常信号が限局した例を経験し,Neurology誌に論文を発表した
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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