研究課題/領域番号 |
20J11958
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大矢 佑基 北海道大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 分類学 / 系統学 / 進化史 / ヒラムシ |
研究開始時の研究の概要 |
体内受精を行う動物の生殖器形態は他の形態形質と比べて急速に多様化する傾向がある。これは雌雄異体動物だけでなく同時的雌雄同体動物においても広く知られる。しかし、「どのようにして生殖器形態が多様化してきたのか」という生殖器形態の進化史については雌雄異体動物での研究がほとんどであり、同時的雌雄同体動物を扱った研究は少ない。本研究は同時的雌雄同体動物の中でも生殖器形態の多様性が最も高い動物群の1つであるヒラムシ類(扁形動物門、多岐腸目)を対象に生殖器形態の進化史を検証する。
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研究実績の概要 |
今年度も新型コロナウイルスの感染拡大によって春から初夏に予定していた野外採集のほとんどが実施できなかった。今年度は既存標本を用いて1報の系統推定を伴う新種記載論文を出版した。記載した種は雄性生殖器の構造が大きく異なる他科のヒラムシと近縁であると推定され、生殖器形態の進化史を議論する上で重要になる種だと考えられる。 かろうじて実施できた調査で得られた標本からはこれまで報告例が少ない構造を雌性生殖器に備えるヒラムシが2種見つかった。それぞれの種について4遺伝子(16S rRNA、18S rRNA、28S rRNA、COI)の部分配列を決定し、それらを用いて系統的位置を推定した。これらの種は形態学的特徴と系統的位置からともに1つの未記載属に属する未記載種と判断され、現在記載の準備をしている。 また他の研究者より譲り受けたヒラムシについても同様に形態観察と系統推定を実施した。本種は未記載種と同定され、雄性生殖器の構造ではLeptoplanoidea上科に属するが系統解析ではStylochoidea上科に内包されると判明した。本種についての論文は投稿中である。 前年度は延期したマイクロCT装置を用いた生殖器の観察は当初の予定から変更し、特定の種の生殖器の詳細な記載に重点を置いて実施した。ここでは固定状態の異なるチリメンヒラムシ2標本について雌雄生殖器の観察・撮影をおこなった。本属ヒラムシの雄性生殖器は内壁に多数の棘を有し、機能する際は棘が外側を向くように反転突出すると考えられている。マイクロCT装置で撮影した結果、実際に棘が外側を向いていることが確認でき、さらにそのときの体内の構造も観察できた。この撮影像に基づき、生殖器の三次元構造の再構築を現在進めている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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