研究課題/領域番号 |
20J11961
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷口 有沙子 筑波大学, 数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 溶液プロセス / 酸素生成触媒 / セラミックス / 水酸化物 / ヘテロ構造 / 電気化学堆積法 |
研究開始時の研究の概要 |
酸化物セラミックスのコーティング技術は基材にセラミックスの多彩な機能を付与することを目的とし、電子材料から生体材料にわたり広く適用されている。しかし、既存技術は結晶化したセラミックス膜を得るために500℃以上の熱処理を必要とし、低耐熱性基板上への成膜に適合しない。本研究ではα-Fe2O3とAl2O3を100℃以下で成膜可能な液相原子層堆積法の開発を目指す。本研究を通し、既存概念にとらわれない新しい溶液プロセスの道を開き、高品位酸化物膜が低温・低環境負荷・低コスト溶液プロセスで作製できる革新的セラミックスコーティング技術へと発展させる。
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研究実績の概要 |
二年目は、次の2テーマを中心に研究を進めた。 研究1:交互積層法によるNi(OH)2/FeOOHナノヘテロ構造の構築と触媒活性の制御 研究1では、シンプルな交互積層法を用いて優れた酸素生成触媒活性を示すNi(OH)2/FeOOHナノヘテロ構造体の作製を行った。本手法では、まず親水化処理を施した基板を75℃に加熱した原料溶液に10秒間浸漬することで、基板表面に金属イオンを吸着させた。続いて、水洗後、75℃に加熱したKOH溶液に10秒間浸漬することで、吸着金属イオンとOH-との反応により水酸化物層を析出させた。以上を1サイクルとして、サイクル毎にNi, Fe溶液を任意に選択し、膜中のNi(OH)2層、FeOOH層の積層構造を制御することで、大幅な触媒活性の増強が見られた。また、Fe2+溶液を用いて製膜することが高触媒活性を得るために重要な要因であることを明らかにした。 研究2:電気化学堆積法によるNi(OH)2/FeOOHヘテロ積層膜の作製と酸素生成触媒への応用 研究2では、Ni(OH)2とFeOOHからなるヘテロ構造体の作製手法として、電気化学堆積法(ED法)に着目した。本手法は、一般に導電性基板上に金属水酸化物層を簡便、迅速かつ大面積に堆積することができる。ここでは、2段階のED法を用いて、触媒活性増強効果を有するNi(OH)2/FeOOH二層触媒の作製を試みた。FTO基板を負極、ステンレス板を正極としてFe溶液中で3 V定電圧を印加することにより、FTO基板上に水酸化鉄層を堆積した。続いて、Ni溶液中で同様の電析処理を行うことで、水酸化鉄層上に水酸化ニッケル層を堆積した。FeOOH層がNi(OH)2層によって完全に被覆された場合、最も高い触媒活性を得た。本研究で作製した触媒は、最先端のNi(OH)2/FeOOH触媒が示す値と同等以上の低過電圧、高耐久性を示した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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