研究課題/領域番号 |
20J12091
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉岡 育哲 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | クエン酸発酵 / クロコウジカビ / ゲノム編集(CRISPR/Cas9) / ミトコンドリア有機酸輸送系 / 遺伝子置換 / 代謝工学的育種 / Aspergillus tubingensis / trans-アコニット酸 / citric acid / CRISPR/Cas9 / filamentous fungi / gene replacement / genome editing / mitochondria / transporter |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、クエン酸高生産糸状菌(カビ)Aspergillus tubingensis (A. niger) WU-2223Lを宿主として大規模かつ高効率な遺伝子置換法を開発し、クエン酸生産機構の解明および有用有機酸生産菌の育種へ応用する。 はじめにCRISPR/Cas9システムによるゲノム編集を用いた遺伝子の高効率置換法を開発する。さらに、クエン酸生産の場であるミトコンドリアに局在する有機酸輸送体遺伝子を網羅的に解析して「クエン酸生産に寄与する重要な輸送体」を同定する。以上の結果を用いて、ゲノム編集で輸送体遺伝子を適切に改変することで有用有機酸trans-アコニット酸の生産菌を創製する。
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研究実績の概要 |
本研究では、クエン酸高生産糸状菌(カビ)である Aspergillus tubingensis WU-2223L を宿主としてゲノム編集を駆使し、クエン酸生産機構の解明および生産機構の適切な改変(利用)による有用有機酸生産菌の育種を目的としている。本年度では、前年度に明らかにしたクエン酸高生産に主たる寄与をするミトコンドリアのクエン酸輸送体遺伝子cocAを標的として「クエン酸生産の抑制」と「アコニット酸生産の促進」を指向した代謝工学的育種を実施した。 「アコニット酸生産の促進」としてA. terreusの有するcis-アコニット酸輸送体遺伝子を遺伝子置換法によりcocA遺伝子座に挿入(置換)すると、クエン酸生産量は親株と比較して約60%減少し、親株には認められない「アコニット酸の菌体外への蓄積」が確認された。すなわち、ミトコンドリア輸送系の置換によりアコニット酸の蓄積の促進とクエン酸生産の抑制に成功した。一方、排出されたアコニット酸の生産量は1 g/L未満とクエン酸のそれ(60 g/L)と比較して低収量であった。そこでクエン酸(アコニット酸の前駆体)のさらなる菌体内への蓄積による収量増加を狙い、既知のクエン酸輸送体遺伝子cexAをノックアウトしたところクエン酸の生産量は90%以上激減したが、trans-アコニット酸の生成量も約50%減少した。また対照的に、cexAの高発現によりクエン酸およびtrans-アコニット酸の収量が増大することも見出し、すなわちクエン酸排出タンパクCEXAにはtrans-アコニット酸の排出活性があるという世界初の知見を得た。 以上より、本年度ではクエン酸生産菌を宿主にミトコンドリアの改変を通じた「クエン酸生産の抑制」および「有用有機酸生産へ代謝の転換(=生産の促進)」が可能であることを、trans-アコニット酸生産菌の育種を実例に示すことができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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