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黒人文学における黒人音楽表象と情動についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 20J12167
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関立教大学

研究代表者

諸岡 友真  立教大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードJames Baldwin / ブルース / 人種表象 / 白人性(ホワイトネス) / 情動 / 愛 / 身体 / インターセクショナリティ
研究開始時の研究の概要

本研究は、1920年代と1960年代の米国黒人作家が描いてきた「愛」の諸相を探究するものである。彼らは特に、黒人音楽の刺激する「情動」に着目することで、人種主義の打開策を探ってきた。情動は身体感覚、欲動、言語とを互いに連結する感情を指す。さらに、人間が不快な情動を避けることは、人と世界の可能的関係性を阻害する。黒人文学は、黒人のステレオタイプや人種差別が黒人キャラクターに喚起する恥などの負の情動が、愛情関係を阻害するさまを描くと同時に、黒人音楽が彼らの自己変革を促す可能性をも示唆してきた。その企図を明らかにすべく、黒人音楽表象の新局面、つまり情動の政治学を詳らかにすることが本研究の目的である。

研究実績の概要

2021年度は、20世紀後半の米国黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンの小説Another Countryにおける黒人音楽表象の意義を探った。その際、どの地点において、ボールドウィンのエッセイとAnother Countryが異なっているのかを徹底的に見定めようとした。エッセイにおいて、ボールドウィンは、ブルース音楽の表現する人間の普遍的な苦痛を強調しているのに対し、Another Countryでは、ある特定のキャラクターの苦痛の普遍化によって、人種、ジェンダー、セクシュアリティの差異を無効化してしまう危険を注意深く避けているように思われる。同小説は、むしろ、白人・黒人キャラクターが、人種、ジェンダー、セクシュアリティの言説に縛られつつも、社会規範を打ち破る愛情や罪悪感を感じてしまうがゆえに苦しむ姿を描いているからである。同小説の精読は、黒人音楽が、キャラクターの複雑に絡まり合った苦悩を表現する媒体であること、また、同音楽を聴くことができないキャラクターの愛の不可能性を暴き出す装置として機能していることを明らかにした。さらに、本年度は、ボールドウィンがブルースをモデルに執筆したと述べるAnother Countryが、これまで当然視されてきた黒人音楽と人種との連続性を複雑化していることを詳らかにしようとした。同小説は、黒人ミュージシャンと黒人コミュニティ(例えば、家族、黒人ミュージシャン、聴衆)の絆よりも、黒人キャラクターと白人の恋人との愛憎に塗れた関係に焦点を当てている。したがって、黒人音楽に対する白人・黒人キャラクターの反応を分析することで、人種を超えた共感の可能性やその限界地点を探ろうとした。2021年度の研究成果は、査読付き学術誌への投稿のため、英語論文としてまとめ上げた。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Tell Me How Long the Train’s Been Gone と追憶の響きーー記憶の曖昧な語り手と黒人音楽の関係性2020

    • 著者名/発表者名
      諸岡友真
    • 学会等名
      日本英文学会第92回全国大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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