研究課題/領域番号 |
20J12289
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
渡邊 正理 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 磁性 / ボンドランダムネス / フラストレーション / 量子スピン系 / 量子スピン液体 / 強相関電子系 / 物性実験 / 量子相 |
研究開始時の研究の概要 |
交換相互作用の競合(フラストレーション)と非一様性(ボンドランダムネス)の協力効果によって,新奇な非磁性量子状態が誘起されるという理論的な提案がある.しかし,ボンドランダムネスの制御が容易なモデル物質は不足しており,実験的研究は限定的である.そのため,フラストレート磁性体におけるボンドランダムネス効果の全体像は未解明である. 本研究では,典型的なフラストレート反強磁性体であるスピン1/2三角格子反強磁性体におけるボンドランダムネス効果の解明に取り組む.元素置換によりボンドランダムネスの制御が可能なモデル物質の合成法を確立し,その基底状態と低エネルギー励起の詳細を実験的に明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,交換相互作用の非一様性(ボンドランダムネス)の制御が容易なランダムボンド三角格子反強磁性体のモデル物質の合成法を確立し,ボンドランダムネスが三角格子反強磁性体の基底状態と磁気励起に及ぼす効果を実験的に解明することである. 2021年度はまず,(1)S=1/2ランダムボンド三角格子反強磁性体Ba2La2Co(Te1-xWx)2O12 (BLCTW)の低温比熱と低温磁化率の再解析を行った.さらに,比較対象として(2) S=1/2正方格子ランダムJ1-J2ハイゼンベルク反強磁性体SrLaCuSb1-xNbxO6 (SLCSN)と(3) S=1/2 面心立方格子(FCC)ランダムボンド反強磁性体Sr2CoTe1-xWxO6 (SCTW)の低温磁性の解明に取り組んだ. 最低温度0.35 Kまでの温度範囲で測定したBLCTWのゼロ磁場磁気比熱Cはべき乗則により再現された.また,最低温度1.8 Kまでの温度範囲で測定したBLCTWの磁化率χも比熱と同様にべき乗則により再現された.さらにC/T∝T^(-γ),χ∝T^(-γ)で表されるスケーリング則が成立することが明らかとなった.一方でSLCSNの低温磁気比熱は,べき乗則に従う比熱と弱く結合したスピンダイマーが呈するショットキー比熱の2つの成分によって再現された.BLCTWとSLCSNではともに,ボンドランダムネスによって磁気秩序は抑制された.しかし,それらの基底状態は異なる非磁性量子状態であると示唆された. S=1/2 FCC格子ランダムボンド反強磁性体SCTWでは,ボンドランダムネスによって長距離磁気秩序は抑制され短距離秩序が生じることが比熱,磁化,muSR測定によって明らかとなった.2.5 Kで測定したSr2CoTe0.5W0.5O6の粉末中性子回折スペクトルには磁気散漫散乱が観測され,短距離秩序が生じていると示唆された.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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