研究課題/領域番号 |
20J12388
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
浪花 晋平 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 光触媒 / 構造物性活性相関 / カップリング / 統計解析 / 過渡吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
光触媒は、光をエネルギー源として、添加剤を使わず、副生成物を出さないクリーンな反応系が開発できることから、環境調和型技術として重要な分野である。しかし、光触媒反応に関わる物質の構造及び構造に由来する物理化学的因子と触媒活性との定量的相関(構造活性相関)は十分に解明されていない。特に、活性と一つの因子との相関が示されることは多くても、複数の因子の寄与を定量的に議論している例は極めて少ない。そこで本研究では、有用な反応である脱水素型クロスカップリング反応をモデルに、多変量解析を用いて構造活性相関を明らかにすることを目的とする 。
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研究実績の概要 |
本研究は、半導体光触媒を用いた有機物の脱水素型カップリング反応における、光触媒活性とその構造及び物性の相関を定量的に明らかにすることを目的としたものである。本年度は、光触媒活性と、その支配的な因子である光触媒の比表面積と光励起キャリアの寿命の関係を、反応速度論モデルから導かれる単純な速度式で記述できることを見出した。 21種類の異なるアナターゼ酸化チタン光触媒を用いてベンゼンの脱水素型ホモカップリング反応を行ったところ、反応速度は比表面積とともに概ね増加した一方で、その傾向から外れている試料も見られた。このことから、本反応における活性は比表面積以外の物性にも影響されることが分かった。昨年度の過渡吸収測定から見積もられたキャリア寿命は試料によって最大10倍異なっており、このキャリア寿命の変化も活性に影響を与えていると考えられる。そこで、比表面積とキャリア寿命のそれぞれがどれだけ光触媒活性に影響を与えているかを定量的に議論するために、単純な反応速度論モデルに基づき統計解析を行った。その結果光触媒活性は、比表面積とキャリア寿命を変数とする単純な速度式によって説明できることが分かった。この式から、比表面積とキャリア寿命は等価でともに重要な因子であり、二つの因子の積が光触媒活性を決定する重要なパラメータであることを提案した。この速度式は、ほとんどの光触媒反応に共通する三つの素過程のみを考慮した単純な反応速度論モデルから導かれる式であり、他の光触媒反応にも適用できると考えられる。 そこで本式の適用範囲を調べるために、反応基質を他の有機物に変えて反応を行った。シクロヘキサンまたはシクロペンタンを基質に用いたところ、目的生成物以外に酸化生成物が得られたが、このような副生成物が生成する系であっても、副生成物の生成過程を表す素過程をもう一つ考慮することで、反応結果を説明できることが分かった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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