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「非モテ」現象に見る男性の自己閉塞化と不安定な男性性に関する臨床社会学

研究課題

研究課題/領域番号 20J12405
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分80030:ジェンダー関連
研究機関立命館大学

研究代表者

西井 開  立命館大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード不安定な男性性 / 男性集団内の周縁化作用 / ナラティヴ / 「非モテ」 / 自己レイベリング
研究開始時の研究の概要

本研究は周辺化された男性がミソジニーやセルフネグレクトを強化する過程と男性のもつ精神衛生上の課題を明らかにすることを目的とする。研究するあたって、女性との関係性や集団からの疎外感といった苦悩を持つ周辺化された男性の当事者研究グループをフィールドとし、グループで語られた内容の分析を行う。さらに、日本の一部の男性よりも強くミソジニーや加害性を内面化していると考えられる「インセル」に関する米国での現地調査およびインタビュー調査を実施する。国外の周辺化された男性の実態と比較検討をすることで、日本における男性の動態や社会構造の特徴を浮かび上がらせる。

研究実績の概要

本研究はセクシュアリティやジェンダーアイデンティティなどの面で、異性愛、シスジェンダーという特権的な立場にいるが、身体・精神障害を有している、無職・非正規雇用である、社会的孤立・いじめ被害の経験がある、配偶者・恋人がいないなど、ドミナントな男性像を十分に達成できていない周縁性を有する男性(非-マジョリティ男性)たちの当事者研究グループをフィールドとし、非-マジョリティ男性がミソジニーやセルフネグレクトを強化する過程と男性のもつ精神衛生上の課題を明らかにすることを目的として実施してきた。
2021年度は、フィールド調査、インタビュー調査から収集したナラティヴデータを元に、男性心理学の概念を理論枠組みとしながら分析を行った。その結果、非-マジョリティ男性が標準的な男性像から逸脱している、男性集団内の序列構造を背景として、からかいや集団からの排除によって傷つけられ、不遇感や自己否定感を抱いていることが明らかになった。また、こうした心理的なストレスを回避するために、非-マジョリティ男性は理想的な友人関係や異性愛関係にその解決の道筋を見出して〈期待のストーリー〉を構築し、それが叶わなかった際に、大きく動揺し、自己孤立化や女性に対する侵入的な行為に及んだりすることが分析の結果明らかになった。
また、グループの構造やメンバー間の相互作用、メンバーたちの変化を分析することで、メンバーたちが自身を取り巻くドミナントな男性性から距離を取り、新たな男性性を創造していく過程が明らかになった。以上の研究の一部を書籍として発表した。
さらに、研究における自身の経験を自己エスノグラフィーとして記述し、分析を加えた。以上の分析結果をまとめ、最終的に博士学位取得論文「不安定な男性性にかんする臨床社会学―非-マジョリティ男性の精神衛生上の課題をめぐって―」を立命館大学人間科学研究科に提出し学位を取得した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 不安定な自己を叙述する―異性愛関係に引き寄せられる男性のライフストーリー分析2021

    • 著者名/発表者名
      西井開
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 49(10) ページ: 154-160

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] とまどいを抱える─メンズリブ運動の歴史と再解釈をめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      尾﨑俊也・西井開
    • 雑誌名

      対抗言論 反ヘイトのための交差路

      巻: 2 ページ: 270-279

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] 斜面の下に埋まっているもの―権力関係を背景としたコミュニケーションの不成立過程2021

    • 著者名/発表者名
      西井開
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 21 ページ: 221-226

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [雑誌論文] 周縁化された男性の生活体験の臨床社会学的探求―「非モテ」現象にかかわる男性のナラテ イブをとおして―2020

    • 著者名/発表者名
      西井開
    • 雑誌名

      現代の社会病理

      巻: 35 ページ: 97-113

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 不安定な男性性を背景とした男性集団内の周縁化作用に関する分析2021

    • 著者名/発表者名
      西井開
    • 学会等名
      日本社会病理学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] 「非モテ」からはじめる男性学2021

    • 著者名/発表者名
      西井 開
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      集英社
    • ISBN
      9784087211764
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] モテないけど生きてます―苦悩する男たちの当事者研究2020

    • 著者名/発表者名
      ぼくらの非モテ研究会
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      青弓社
    • ISBN
      9784787234766
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [備考] 「有害な男らしさ」という言葉に潜む「意外な危うさ」を考える―問題を「自己責任化」していないか

    • URL

      https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79520

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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