研究課題/領域番号 |
20J12427
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
渡邉 綾 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 農業体験学習 / 〈教育〉理論 / ペダゴジーの社会学 / 〈教育〉言説 / 教育実践の組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、小学校における農業体験学習を事例として、教育政策-教師-教育実践を通じて農業の「教育的価値」が構築・展開されるプロセスを明らかにする。本研究は、文献調査もしくはフィールドワークを通じて、「教育的価値」言説の構築と展開のプロセスをそれぞれ教育政策・制度レベル、教師レベル、教育実践のレベルの3つの研究課題から明らかにする。「教育的価値」を言説として検討することは、翻って、その社会に潜在する学校や教育に対する「望ましい」理念や価値を問い直すものである。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は小学校で実施されている農業体験学習を対象として,農業がどのように学校教育に読み替えられ,組み込まれているのかをBasil Bernsteinの〈教育〉(pedagogy)理論をもとに明らかにすることである。農業体験学習は学習指導要領上で必修とされておらず,就農人口が低下する中で労働需要も少ない。にもかかわらず,学校教育の一環として農業を体験する農業体験学習は全国の公立小学校の約8割で行われており,広く普及している。本研究は農業体験学習が教育制度や学校外部からの社会的要請ではなく,学校の内部で独自に価値づけられ,実践されている点に着目し,学校独自の教育実践の正統性付与の過程を明らかにするものである。 上記の問いを明らかにする上で,農業体験学習に関する文献調査,農業体験学習を実施している小学校におけるフィールドワーク,教員や農業者などへのインタビュー調査を行なった。 分析の結果,農業体験学習を実施する上で,特定の要素が選択的に読み替えられていた。たとえば,現代的な機械農業,一時的なイベント,農業技術習得,「遊び」といった要素は「相応しくない」ものとして実践において切り離されていた。一方で手作業や農業の連続性の強調といった要素は選択的に取り入れられ,学校教育の文脈に適する正統な実践として再編されていた。 本研究の事例では,学校教育の一環としての農業体験学習を実施する上で,農業の体験を学校における正統な教育実践として編成する過程で,自己の修養などの学校教育の目的に沿った教育実践の最適化と,現代農業のリアリティの伝達や農業の多様な社会関係との接触機会が両立し得ないものとなっていた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|