研究課題/領域番号 |
20J12495
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
慶長 泰周 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | カーボンドット / 蛍光体 / 狭帯域蛍光 / グリコサーマル合成 / 蛍光ソルバトクロミズム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、4K/8K放送や医療応用のための広色域ディスプレイの開発が急速に進められている。自発光型ディスプレイの広色域化には、内蔵させる蛍光体が色純度の高い青・緑・赤の可視蛍光を発現することが求められる。その蛍光体として、量子ドット(QDs)が高い蛍光色純度をもつことや粒子径を変化させることで蛍光色を調整できることから注目されている。しかし、QDsはCdやPbの毒性や安定性に問題がある。そこで、本研究では高い環境親和性、高い安定性や豊富な前駆体源を有するカーボンドット(CDs)に着目し、高蛍光色純度CDsの新規作製法の開拓を目指す。
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研究実績の概要 |
蛍光性カーボンナノ粒子(通称カーボンドット、CDs)は環境に優しい有望な次世代蛍光体である。そのため、照明やディスプレイに留まらず、医療分野など幅広い応用が試みられている。しかし、多くのCDsは半値幅が60 nm以上の蛍光スペクトルを示し、蛍光色純度が低い。半値幅が40 nm以下のシャープな蛍光スペクトルを示す高蛍光色純度のCDsの報告はほとんどない。そこで本研究では、原料として芳香族化合物のフロログルシノールに着目し、高沸点溶媒を用いた開放反応場で、高蛍光色純度CDsを簡便かつ安全に作製することを検討した。 1,2-ペンタンジオールを高沸点溶媒に用いた開放反応場で、加熱温度180 ℃、加熱時間6 hおよび大気雰囲気の条件で、蛍光スペクトルの半値幅が27-40 nmのフロログルシノール誘導CDs(Ph-CDs)を作製することに成功した。開放反応場での合成によって、フロログルシノール分子間の脱水縮重合反応が促進されたことで、グラフェンの秩序構造および一様な表面官能基(OH基)を有するPh-CDsが作製された。この疎水性のπ共役系グラフェン構造および親水性のOH基によって、Ph-CDs粉末は7種類の異なる極性の溶媒に分散した。HOMO-LUMO間の遷移に帰属される蛍光ピーク波長は、負の蛍光ソルバトクロミズムによって、溶媒の極性の低下に伴い463 nmから511 nmまで変化した。各Ph-CDs分散液の蛍光ピーク波長は励起波長に非依存であった。青および緑色の蛍光量子収率は51%であった。以上より、高蛍光色純度、多色蛍光および高蛍光量子収率のPh-CDsの大気下での新規グリコサーマル合成法を確立した。Ph-CDsポリマー複合フィルムも同様のソルバトクロミズムによる蛍光色変化および狭帯域蛍光を示した。よって、Ph-CDsの広色域ディスプレイおよびLED応用の実現可能性が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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