研究課題/領域番号 |
20J12675
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
行田 康晃 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2021年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ボンガルツ完備化 / ディオファントス問題 / 正団複体 / Calkin-Wilfツリー |
研究開始時の研究の概要 |
近年,様々な数学の分野にまたがって現れるある種の組み合わせ構造を代数の形で抽象化した「団代数」と呼ばれる代数についての研究が盛んに行われている.特に,団変数と呼ばれる有理関数と,団変数をある規則のもとで別の団変数に移す「変異」と呼ばれる変換がこの組み合わせ構造の核となる重要な概念である.この変換の性質を調べたり,あるいはこの組み合わせ構造を持つ数学的概念を発見することによって,様々な数学における新たな切り口を提供しようという狙いがある.私の研究は,この変換を行列・ベクトルという古来からよく調べられてきた数学的対象に帰着させることによって,その性質を調べようというものである.
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研究実績の概要 |
1つ目に,ボンガルツ完備化と呼ばれる多元環の表現論における概念の類似を団代数に導入した.多元環の表現論におけるボンガルツ完備化とは,τリジッド加群と射影加群のペアであるτリジッドペアに適切なτリジッドペアを直和することで特別なτ傾加群を構成する操作のことである.団傾斜代数のτリジッドペアと団代数の団はその組み合わせ構造と整合的な1:1対応を持つことに注目すると,同じような操作が団代数の団の部分集合でも可能なのではないかと考え,これを構成した.具体的にはまず,多元環の表現論におけるボンガルツ完備化の構成手順を,(団傾斜代数の加群を使って定義される)C行列という行列を使った形で特徴づけを行った上で,団代数に導入されているC行列を使ってその特徴づけの類似を考える形でボンガルツ完備化を定義した.そして,この団代数におけるボンガルツ完備化の操作が,先のτリジッドペアと団代数の団の1:1対応と整合的になっていることを証明した. 2つ目に,正整数解が団代数における変異の構造を持つ方程式について研究を行なった.元々,マルコフの方程式x^2+y^2+z^2=3xyzがそのような構造を持つ方程式として知られていたが,さらに(x+y)^2+(y+z)^2+(z+x)^2=12xyz,次いでこの2つの方程式の一般形であるx^2+y^2+z^2+lxy+myz+nzx=(3+l+m+n)xyz(l,m,nは0以上の整数)の正の整数解が変異構造を持つことを示した.さらにこの方程式の性質を利用することで,方程式x^2+y^4+z^4+2xy^2+ky^2z^2+2z^2x=(7+l+m+n)xyzの正整数解についても,別の団代数の変異の構造を持つことを明らかにした.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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