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アニオン性置換基導入による高周期元素低配位化学種の酸化電位および構造の制御

研究課題

研究課題/領域番号 20J12946
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
研究機関京都大学

研究代表者

岩井 健人  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードイオン性置換基 / ボラート / 双性イオン / 機能性分子 / 典型元素化学
研究開始時の研究の概要

近年、アニオン性NHC(N-heterocyclic carbene)を利用した双性イオン型高周期典型元素錯体の合成とその構造・性質の解明が注目を集めている。一方で、置換基としてアニオン性置換基を高周期典型元素低配位化学種に導入した例はほとんどなく、一般的な導入方法も確立されていない。そこで、今回ホウ素置換基であるボラヌイジル基の導入ユニットを開発し、ボラヌイジル置換典型元素低配位化学種の合成を試みた。ボラヌイジル基を導入することにより、対カチオンとの錯形成による構造制御および典型元素カチオン種との双性イオン形成による安定化が見込まれる。

研究実績の概要

申請者の2020年度における研究計画では、ボラヌイジル基を有する高周期典型元素低配位化学種を合成し、物性の評価を行なうことで、ボラヌイジル基の置換基効果を解明することを目標としていた。実際の研究では、ボラヌイジル基を有する双性イオン型トリアリールメチリウム塩やアクリジニウム塩およびケイ素化合物を新たに合成し、物性や反応性の評価を行なった。その結果、双性イオン型のトリアリールメチリウム塩が外部刺激に応答した色調の変化を示すことや、アクリジニウム塩が固体状態でのみ発光を示すことを明らかにした。これらの双性イオン型の色素について、単結晶X線構造解析など各種測定を行なったところ、ボラヌイジル基のイオン性相互作用に起因する特異な分子配列を示していることがわかった。この結果から、ボラヌイジル基の置換基効果として、分子内の電子的な効果のみならず、固体状態での分子間の集積構造を制御する効果があると考えられる。従って、ボラヌイジル基の新たな活用法として分子配列の制御が可能であることを示した点で本研究成果は意義深いといえる。
さらにボラヌイジル基を有する低配位ケイ素化学種の合成検討では、ボラヌイジル基を有するクロロシラン類にN-ヘテロ環状カルベン(NHC)を作用させると塩脱離を伴う求核置換反応が進行することを見出した。これは一般的なシラン類では見られない反応性であり、ボラヌイジル基を導入したことにより発現した新規な反応性であると考えられる。また、本置換反応により生成するイミダゾリオシランは更なる化学変換により多座配位性の配位場を有するアニオン性NHCへ変換できることを明らかにした。これらの一連の反応は近年注目を集めているアニオン性NHCの新規な合成法と見做せるため、合成化学的な観点から意義深い結果であると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Alkali-Metal-Ion-Centered Sandwich Structures of 4-Bromophenyl[tris(pentafluorophenyl)]borates and Their Synthetic Utility2021

    • 著者名/発表者名
      Iwai Kento、Mizuhata Yoshiyuki、Tokitoh Norihiro
    • 雑誌名

      Organometallics

      巻: 40 号: 5 ページ: 570-577

    • DOI

      10.1021/acs.organomet.0c00711

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 2,2-Bis[3,5-bis(dimethylamino)phenyl]-1,1,1,3,3,3-hexamethyltrisilane2020

    • 著者名/発表者名
      Mizuhata Yoshiyuki、Iwai Kento、Tokitoh Norihiro
    • 雑誌名

      IUCrData

      巻: 5 号: 9

    • DOI

      10.1107/s2414314620012997

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] テトラアリールボラート骨格を分子内に有する双性イオン型トリア リールメチリウム塩の合成と分光学的特性2021

    • 著者名/発表者名
      岩井健人・水畑吉行・時任宣博
    • 学会等名
      日本化学会第 101 春季年会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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