研究課題/領域番号 |
20J13077
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
保坂 知宙 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | カリウムイオン電池 / 炭素材料 / 不働態被膜 / プルシアンブルー類似体 / 有機電解液 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新奇蓄電デバイスとしてカリウムイオン電池(KIB)に注目し、その電解液および電極材料の設計により現行のリチウムイオン電池を上回る急速充放電特性の実現を目指す。 負極材料の反応速度が電解液に依存することに着眼し、「電極表面の不動態被膜」と「電解液の溶液構造」が「黒鉛負極の反応速度」に与える影響を明らかにすることで、電極反応速度を最大化するカリウム有機電解液の設計指針を確立する。 さらに、速度性能に優れる正極材料も合わせて開発し、正極と黒鉛負極、最適化した電解液を組み合わせたKIBを作製する。
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研究実績の概要 |
本研究では、新奇蓄電デバイスとしてカリウムイオン電池に注目し、電解液が黒鉛負極の反応速度に与える影響を調査した。さらに、速度性能に優れる正極材料を開発するために、プルシアンブルー類似体正極材料の速度性能に各因子が与える影響を明らかにした。 カリウムイオン電池用電解液の設計に関しては、電解質塩としてヘキサフルオロリン酸カリウムとカリウムビス(フルオロスルホニル)アミドを混合した電解液を始めとする複数の有望な電解液組成を見出した。具体的には、黒鉛負極において満充電の80%の容量を得るのに必要な時間が、新たに開発した混合塩電解液中では既報のヘキサフルオロリン酸カリウム電解液を用いた場合の5分の1になることを実証した。また、混合塩電解液中で抵抗の小さい不働態被膜が生成していることが、この急速充放電特性に寄与していることを明らかにした。 正極材料のカリウムマンガン系プルシアンブルー類似体について、MnをFeやNi等の遷移金属へ部分的に置換したものの、急速充放電特性の改善効果は限定的であった。一方、結晶中に15%のフェロシアン化物空孔を含む試料をNa体からのイオン交換法により合成した結果、非常に良好な急速充放電特性を示すことを見出した。電気化学測定と密度汎関数理論計算より、空孔がカリウムイオン拡散を促進することが示唆され、これが良好な急速充放電特性に寄与していると考察した。 以上より、カリウムイオン電池用電解液の急速充放電を実現する電解液および正極材料を見出し、カリウムイオン電池の急速充放電特性を実証した。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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