研究課題/領域番号 |
20J13363
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野入 信人 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2021年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 細胞表面修飾 / ポリエチレングリコール結合脂質(PEG脂質) / 細胞接着誘導 / 細胞膜透過性ペプチド(CPP) / 間葉系幹細胞(MSC) / 脳梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、幹細胞移植による脳梗塞の治療が注目されているが、移植した細胞の脳梗塞への集積率が非常に低く、十分な治療効果を得るためには患者の骨髄から間葉系幹細胞(MSC)を採取したあと4週間以上の培養期間が必要となり、治療の遅れによる後遺症のリスクが課題である。本研究では、細胞膜表面に容易に導入され、細胞膜表面を修飾できる材料であるポリエチレングリコール(PEG)脂質を用いてMSCの表面を修飾することで、脳梗塞部位への特異的なMSCの集積を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は細胞を迅速に接着させるための細胞表面修飾材の合成と細胞を用いたin vitroにおける評価を行った。また、異なる分子量のPEG(5, 10, 20, 40 kDa)を用いることで修飾剤の分子構造の最適化を行った。 細胞膜透過性ペプチド(CPP)を結合したPEG脂質(CPP-PEG脂質)で浮遊系細胞種であるCCRF-CEM細胞の表面に修飾した。ディッシュへの播種から30分後に位相差顕微鏡で観察したところ、細胞の接着と伸展が見られた。また、蛍光分子FITCで標識化したCPP-PEG脂質で修飾した細胞を共焦点顕微鏡で観察した結果、細胞の表面に沿って蛍光が観察され、細胞内には見られなかった。このことから、CPP-PEG脂質が細胞表面に修飾されていることが示された。 CPP-PEG脂質で修飾した細胞を、カチオン性、電気的中性、アニオン性の基板に播種し、位相差顕微鏡により観察した。カチオン性の基板では細胞接着が見られたが、中性、アニオン性の基板では細胞接着が見られなかった。これらにより、CPP-PEG脂質による細胞接着誘導は静電相互作用に起因することが示唆された。また、PEGの分子量が大きいほど強固な細胞の接着と伸展が見られた。 また、接着誘導した細胞の遺伝子発現をリアルタイムPCRで評価したところ、浮遊系細胞では接着後も焦点接着マーカーの発現は見られなかった。一方で、接着細胞においてはCPP-PEG脂質修飾により播種から6 hにおいて接着斑形成が多く見られた。このことから、CPP-PEG脂質修飾は基材への迅速な細胞接着を誘導することで、その後のシグナル伝達を活性化することが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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