研究課題/領域番号 |
20J13415
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
古澤 拓也 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 対称性 / 量子異常 / 流体力学 / 低エネルギー有効理論 / 強相関量子多体系 |
研究開始時の研究の概要 |
相関の強い量子多体系では、非局所的な秩序変数で特徴付けられる新奇なトポロジカル秩序相が現れ得る。現在、2次元トポロジカル秩序相への理解は確立しつつあるが、3次元では理論・実験ともに未発展である。この問題を解決するため、トポロジカル秩序相の解析に適した手法である双対性に着目する。双対性とは、異なる量子多体系間の非局所的な変換であり、非局所的な秩序変数の検出に有用であるが、従来の双対性の適用範囲は低次元系に限られていた。本研究では、双対性を3次元に拡張し、空間次元に依らず有用な解析手法として確立する。さらに、これを物性系に適用し、3次元トポロジカル秩序相を予言し、その性質を解析する。
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研究実績の概要 |
本年度の研究では,以下のような成果が得られている. 2次元ディラックフェルミオンの流体力学を構築し,その輸送現象を解析した.2次元ディラックフェルミオンは,物性物理学の様々な文脈で現れる重要な系の一つであり,離散的量子異常の代表例であるパリティ量子異常を持つ.このパリティ量子異常に対し,量子異常の一貫性条件を適用することで,パリティ量子異常が流体力学にどのように組み込まれるかを議論した.特に,系が境界を持たない場合,パリティ量子異常の帰結として,異常ホールカレントが生じる.さらに,系が境界を持つ場合,境界に沿った端電流及び端エントロピー流の存在が熱力学第二法則から要請されることが明らかになった.この研究はPhysical Review Dに掲載されている. 上記の研究では,双対性と深い関係にある対称性の量子異常を活用することで,強相関量子多体系に関する当初想定していなかった研究成果を得ることができた. 本研究で取り扱った2次元ディラックフェルミオンのパリティ量子異常は,昨年度の研究で新しく発見した2カラー量子色力学や量子反強磁性体の量子異常と類似した構造を持つ.このため,本研究で構築した流体力学は2カラー量子色力学や量子反強磁性体などの強相関量子多体系にも適用可能と期待できる.従って,上記の研究は物性物理学に留まらず幅広い分野に波及していくことが期待できる非常に重要な成果であったと言える. また,今年度は,国際会議2件に加え,国内研究機関における2件のセミナー発表を通じて,本年度及び前年度の研究に関する情報発信を行った.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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