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接ぎ木接着に関わる二次代謝物の探索およびその機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 20J13580
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分39030:園芸科学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

川口 航平  名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードトマト / 接ぎ木 / 二次代謝産物 / MYB転写因子 / メタボローム解析 / トランスクリプトーム解析
研究開始時の研究の概要

接ぎ木は、異なる植物を接着して栽培する技術であり、果菜類や果樹などの病害抵抗性・収量性を向上させる目的で行われる。日本の果菜類の営利栽培における接ぎ木苗利用率は60%を越え、その利用が欧米やアジア諸国で拡大するなど、世界的にも注目されている。
接ぎ木には、接着させる植物の種類により「接ぎ木が成立する、しない」があり、一般的に、同科の必要があることが報告されているが、その機構は不明である。その一方で、近年、ナス科植物(特にタバコ属植物)は、広範の植物種と接ぎ木を成立させることが明らかとなっている。本研究では、この現象に対して、二次代謝産物の観点から、接ぎ木の接着因子を同定し、その機構解明を行う。

研究実績の概要

接ぎ木成立過程で高蓄積する二次代謝物(以下、二次代謝物)およびその生合成のマスターレギュレーターであるMYB転写因子の接ぎ木における機能解析を行った。これまで、このMYB転写因子の発現は接ぎ木部で増加することが確認され、MYB転写因子の遺伝子発現抑制体(以下、発現抑制体)の接ぎ木試験を行った結果、Wild typeと比較して、接ぎ木後の穂木の葉の展開に差が見られ、MYB転写因子が二次代謝物の生合成を介して、接ぎ木の成立に関与することが示唆されている。
今年度は、このMYB転写因子が二次代謝物の生合成を制御しているかを確かめるために、発現抑制体の接ぎ木部のメタボローム解析を実施した。さらに、このMYB転写因子が接ぎ木成立過程のどのイベントに関与するかを解明するために、接ぎ木部のRNA-seq解析を実施した。
接ぎ木部のメタボローム解析の結果、発現抑制体ではWild typeと比較して、二次代謝物が減少していた。さらに、接ぎ木部のRNA-seq解析を行い、接ぎ木3日後のWild typeと発現抑制体の間での発現変動遺伝子(DEG)を用いて、GOエンリッチメント解析を行った結果、「Cell wall」のGO termが有意にエンリッチされた。Wil typeと比較して発現抑制体では、ペクチンメチルエステラーゼやポリガラクツロナーゼインヒビタータンパク質の遺伝子発現が減少していた。これは、MYB転写因子が二次代謝物の生合成を介して、細胞壁の物理的な強度を制御し、接ぎ木の成立に関与することを示唆している。
これらの接ぎ木に関与する因子の発見と分子メカニズムの理解は、接ぎ木促進剤の開発に貢献できる可能性がある。また、本年度に報告した、ゲノム編集により作出した高糖度トマトと、広範の種類の台木との接ぎ木を高効率で実現することで、生物的・非生物的ストレス耐性などを導入できる可能性もある。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (5件)

  • [雑誌論文] Functional disruption of cell wall invertase inhibitor by genome editing increases sugar content of tomato fruit without decrease fruit weight2021

    • 著者名/発表者名
      Kohei Kawaguchi, Rie Takei-Hoshi, Ikue Yoshikawa, Keiji Nishida, Makoto Kobayashi, Miyako Kusano, Yu Lu, Tohru Ariizumi, Hiroshi Ezura, Shungo Otagaki, Shogo Matsumoto, and Katsuhiro Shiratake
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 号: 1 ページ: 21534-21534

    • DOI

      10.1038/s41598-021-00966-4

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Production of high Brix tomato by genome editing of invertase inhibitor gene2022

    • 著者名/発表者名
      Kohei Kawaguchi, Rie Takei-Hoshi, Ikue Yoshikawa, Keiji Nishida, Makoto Kobayashi, Miyako Kusano, Yu Lu, Tohru Ariizumi, Hiroshi Ezura, Shungo Otagaki, Shogo Matsumoto, Katsuhiro Shiratake
    • 学会等名
      31st International Horticultural Congress
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] トマトの接ぎ木植物の接着部のイオノーム解析およびホウ素輸送体遺伝子の発現パターン2021

    • 著者名/発表者名
      川口航平,馬建鋒,太田垣駿吾,松本省吾,白武勝裕
    • 学会等名
      令和3年度園芸学会秋季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 接ぎ木接着部のイオノーム解析とMn輸送体遺伝子の発現解析2021

    • 著者名/発表者名
      川口航平,馬建鋒,太田垣駿吾,松本省吾,白武勝裕
    • 学会等名
      植物の栄養研究会 第6回研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Production of high Brix tomato by genome editing of invertase inhibitor gene using CRISPR/Cas9 and Target-AID technologies2021

    • 著者名/発表者名
      Kohei Kawaguchi, Rie Takei-Hoshi, Ikue Yoshikawa, Keiji Nishida, Makoto Kobayashi, Miyako Kusano, Yu Lu, Tohru Ariizumi, Hiroshi Ezura, Shungo Otagaki, Shogo Matsumoto, and Katsuhiro Shiratake
    • 学会等名
      第17回 日本ナス科コンソーシアム年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 糖度が高いトマト品種を作るゲノム編集技術を開発,名古屋大学プレスリリース,2021年11月09日

    • URL

      https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20211109_agr.pdf

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] ゲノム編集でトマト糖度3割高く,日本経済新聞,2021年11月09日

    • URL

      https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC098PE0Z01C21A1000000/

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] ゲノム編集トマト、甘さが3割アップ,読売新聞,2021年11月10日

    • URL

      https://www.yomiuri.co.jp/science/20211110-OYT1T50055/

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 名古屋大、ゲノム編集でトマト実用品種の果実を高糖度に,日経バイオテク,2021年11月12日

    • URL

      https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/21/11/12/08825/?n_cid=nbpbto_mled_am

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] ゲノム編集で甘いトマト、名大,共同通信,2021年12月7日

    • URL

      https://nordot.app/840834732835012608?c=39546741839462401

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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