研究課題/領域番号 |
20J13734
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 稔季 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 冗長性 / 多自由度 / 誤差修正 / 運動制御 / 運動学習 / 両手運動 / 感覚予測誤差 |
研究開始時の研究の概要 |
熟達した運動スキルであっても時には失敗(ミス)してしまう。先行研究によれば、運動課題中、成功時と失敗時では、動作直前の脳状態が異なる。しかし、動作直前にミスすることがわかったとしても、もはやそのミスを回避できない。申請者はこれまでに、運動学習動態を調べるための実験系として従来用いられてきた腕到達運動課題を応用し、動作ミスには運動学的な予兆因子と脳活動の予兆因子が存在することを明らかにした。今後は、脳活動のゆらぎや行動学的なパフォーマンスを操作できる経頭蓋電流刺激法を適切に用いることで、その予兆を検知した際に動作ミスを事前回避する手法を模索する。
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研究実績の概要 |
本年度は、運動制御・適応における動作ミスの修正を理解する上で欠かせない問題である冗長性について検討を進めた。動作修正機序の解明を目的として用いられる腕到達運動では、手先位置の修正パターンが決まれば、それに対応する腕の姿勢 (肩・肘関節角度) も一意的に決まってしまうため、冗長な系における動作修正の問題を取り扱うことができない。本研究では、モニター画面上に表示される一本の仮想的なスティックを両手で握り、先端のカーソルを標的に移動させる運動課題を開発した。この課題では、カーソル位置に加え、スティックの傾斜角度を操作できるという、より現実の運動スキルに近い冗長性を有する。この運動課題を用いて、60名の健常成人を対象とした実験により以下のことを明らかにした。①スティック先端のカーソルを移動させるための両手の動作パターンは無数にあるにもかかわらず、ほとんどの被験者は運動コストの小さい動作パターンを初めから遂行していた。②被験者がその存在に気付かない程度の微小な視覚外乱をカーソルの動きに少しずつ与えたところ、被験者は運動コストの小さい動作パターンを無意識的に常に選択しながら動作修正を行っていた。そして、③画面上に見えているスティックの傾斜角度をカーソル周りに回転させる視覚外乱(被験者は外乱の存在に気付かなかった)を与えたところ、この外乱はカーソル位置に一切影響を与えていないのにもかかわらず、被験者はスティックの傾斜角度を元に戻そうと動作パターンを修正しており、寧ろカーソル位置の制御が乱されていた。課題の成否に関与する次元の動作の正確性よりも、課題の成否に関与しない冗長な次元における誤差の修正を優先する動作修正システムの存在が示唆された。以上の結果から、動作ミスを生じる背後には、冗長な次元における動作パターンの異常が存在している可能性が考えられるといえる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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