危険な状況に直面した際に、すくみ上がりながらもその状況に対して身を隠し留まる(受動的防御反応)か、もしくはその状況から脱するために逃げる(能動的防御反応)か、という対照的な行動を状況に応じて適切に選択し実行することは、生存確率を上昇させる為に重要な防御反応である。しかし、どのように学習を通じてその対照的な防御反応の選択のバランスを脳内で制御し適切な行動選択に導いているのか、その全貌は未だ明らかになっていない。本研究では、網状構造から扁桃体基底外側複合体を介し扁桃体中心核と線条体に繋がる神経回路に着目し、遺伝学と神経活動記録を用いて、学習によるこれらの防御反応の習得に果たす役割の解明を試みる。
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