研究課題/領域番号 |
20J13957
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
塩沢 健太 北里大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 超弦理論 / 双対性 / 超重力理論 / Double Field Theory / Exceptional Field Theory / Non-geometry / 素粒子論 / U双対性 / T双対性 |
研究開始時の研究の概要 |
弦が見るミクロ領域の時空構造は点粒子が見るものとは異なり、弦の巻き付きモードが重要な量であるため、これが時空に及ぼす影響について理解したい。そのためにDouble Field Theory (DFT)と呼ばれる、弦の巻き付き効果を明白に含む重力理論を用いる。超弦理論では、古典的には裸の特異点と思われていた時空解が何らかのメカニズムで特異点が解消されると期待される。また、超弦理論の議論ではミクロ領域においては弦の巻き付きモードが支配的であることが知られている。我々は、この特異点を隠すメカニズムは弦の巻き付き効果によるものと予想し、弦の巻き付きにより時空構造が変化することをDFTを用いて示す。
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研究実績の概要 |
有限の長さをもつ弦を用いて時空をプローブする超弦理論では、点粒子でプローブする一般相対論とは本質的に異なる時空の見方を提供する。弦がコンパクト空間に巻き付くことにより顕在化されるT双対性は、超弦理論では隠れた対称性である。T双対性を明白な対称性とする重力理論であるdouble field theory (DFT)は、弦の巻き付きの効果を含む時空を調べるのに有用である。本研究は、弦の巻き付きモードに着目し、ミクロ領域での時空構造を探究することを目的とする。 これまでの研究から、弦の巻き付きの効果を議論するために最も適した研究対象はターブ・ナット空間だと考えられる。本年度はこの空間を背景にもつKK5ブレーンおよびKK6ブレーンについて注目して研究を進めた。まずはNS5ブレーンとKK5ブレーンの双対性関係のM理論起源を議論し、ミクロ領域の時空構造を見るときにはM理論におけるメンブレーンのラッピングモードも考慮すべきであることを示した。次にNS5ブレーンとKK5ブレーンの背景時空における複素構造や基本2形式のT双対性関係を明示的に与えた。この研究では、これらのブレーンのT双対性関係の詳細を幾何学的構造の観点から明らかにすることができた。 本研究課題の当初の研究計画では、ブラックホール時空における弦の巻き付き効果による変形を観測することを最終目標としていた。現在、ブレーン交差によって構成されたブラックホール時空への弦の巻き付きについて議論を行い、論文準備を始めているが、本研究課題の採用期間内に終了させることができなかった。これは前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症流行のため研究議論などを満足に行えなかったためである。しかし、一般的な幾何学的構造のT双対性関係を明示したり、M理論における研究の広がりを提示できたりと、本研究分野にとって有意義な研究が行うことができたと考えている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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