研究課題/領域番号 |
20J14621
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
川野 幸平 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 神経回路 / 脊髄介在ニューロン / イメージング / 行動実験 |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄神経回路を構成するニューロンは様々な転写因子の発現によりドメイン状に分割された神経前駆領域から誕生する。神経回路研究は前駆領域ごとの大まかな単位で進んできた。ここ数年間の解析により同一前駆領域内に形態や遺伝子発現によって区別できる複数のニューロンサブタイプの存在が明らかになってきた。一方サブタイプという詳細な単位での神経回路の理解は進んでいない。本研究ではゼブラフィッシュ幼魚を用いて形態的に区別されるV0vニューロン群のサブタイプに注目する。具体的にはRNA-seqを行い、それらサブタイプを規定する分子マーカーを同定し、各サブタイプ選択的に活動操作や破壊を行い、神経回路機能を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ゼブラフィッシュ仔魚が頻繁に行う、ゆったりとした遊泳運動において、頭は進行方向にほぼ固定されており、左右にほとんどぐらつかない。このように、遊泳運動時に頭を安定させることは視線の保持に重要であり、魚の生存戦略上で大きな意義をもつと考えられる。ゼブラフィッシュ仔魚の重心は、前後軸上において胴体部分のもっとも前方付近に位置しており、頭をぐらつかせないためには、遊泳時に胴体部分の動きが重心に与える横方向(ヨーイング)の回転モーメントを小さな状態に保つ必要がある。このためには、遊泳のフォームはC字状ではなく、S字状である必要がある。これにより、胴体の前方部分が左方向へ力を受ける場合は、後方部分は右方向へ力を受けることとなり、胴体全体として、重心に与えるヨー方向回転モーメントを最小化することが可能となる。 本研究では、このようなS字フォームの遊泳運動の生成には、脊髄内に存在するV0vニューロンサブタイプのMCoDニューロンが重要な役割を果たすことを示した。MCoDニューロンは交叉性かつ長軸方向に長い軸索をもつ興奮性ニューロンであり、長軸の斜め方向(たとえば、右前と左後ろ)の活動をカップルさせるのに最適な形態的特徴をもつ。具体的な実験として、MCoDニューロンが可視化されたトランスジェニック個体を用いてそれらをレーザー破壊し、得られた幼魚の遊泳運動を高速度カメラで解析した。その結果、MCoD破壊魚では、遊泳運動のS字状屈曲パターンが乱れ、また、頭部が左右方向に顕著に揺れ動く表現型を示した。 本研究により、頭を安定させて泳ぐために重要な役割を果たす神経細胞群がゼブラフィッシュ仔魚脊髄内に存在することが明らかとなった。同様の神経細胞はすべての魚に存在し、頭を安定させた遊泳運動の生成に寄与しているものと考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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