研究課題/領域番号 |
20J14644
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 愛美 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | モダニズム / 家庭性 / domesticity / 日常性 / 空間 / 家 / ヘンリー・ジェイムズ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アメリカスという視点のもと北米文学とカリブ・ラテンアメリカ文学とを包括的に捉え、「日常性」と「グロテスク」という観点から両地域に共通する精神性と、それに基づく文学的想像力を見出そうとするものである。その際、主にウィリアム・フォークナーの小説を中心とした合衆国南部文学、およびカリブ・ラテンアメリカ文学における日常性の再評価を行うとともに、これらの日常的描写のうちにグロテスクの表象を要請するアメリカス特有の精神性が存在すると仮定。両者のテクストの比較分析によりこれを明らかにすることで、アメリカスという場に一つの文学的空間の存在を示す。
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研究実績の概要 |
2021年度、および繰越期間の2022年度(9月末まで)は、初年度の成果に基づいて「日常性」というテーマから「家庭性」を抽出し、これに沿ってウィリアム・フォークナーを中心とする研究対象のテクスト分析と、関連する文化史資料の読み込み、両者の検討を進めた。また、初年度に引き続き、モダニズムと家庭性の観点から比較対象としてヘンリー・ジェイムズの中期作品の分析を進め、その成果を論文「描かない画家--The Spoils of Poyntonにおける印象派と女性」としてまとめた。本論文は2022年5月に所属研究室の紀要『れにくさ』へ投稿し、受理された。本論文では、従来あまり検討されてこなかった作中の印象派画家/絵画という要素が小説/室内空間を語る視点に反映されていること、ならびにそれが女性の家事と労働の表象に結びつき、アイデンティティの問題を顕在化させるものとして作用していることを文化史的な背景に照らしながら論じている。
2022年8月には英国に滞在し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により初年度から延期していた海外調査を実施した。大英図書館を中心に、ヴィクトリア&アルバート博物館等の研究機関・展示施設にて文献・資料調査を行い、日本ではアクセスが困難な雑誌資料等、多くの貴重な資料を入手した。帰国後はこれらの資料の読み込みを中心に進めた。今後、本調査の成果を上述のテクスト分析に反映させ、複数の論文にまとめて順次発表していく予定である。ジェイムズの中期以降の作品分析も継続しており、本研究のキーワードである「家庭性」と、ジェイムズが度々描いた「芸術」という主題との接続に着目しながら分析・考察を行っている。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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