研究課題/領域番号 |
20J14789
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 健太郎 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 超分子ポリマー / 精密超分子重合 / 準安定状態 / 電荷移動錯体 / 自己認識 / アミノ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
超分子ポリマーは、機能性、刺激応答性、リサイクル性が高く、注目されている。しかし、基礎物性の評価に留まり、実用化に向けた材料開発は未だに進んでいない。この理由として、超分子ポリマー同士の相互作用が強く、他材料と複合させる際に相分離し易いことが挙げられる。相分離が起こるとドメインが生じ、これが構造欠陥となるため、材料としての機能は著しく低下する。本研究ではこうした課題を解決するために、複合させる対象として高分子を用い、超分子ポリマーを均一に複合化できる手法の確立を目指す。この実現に向けて、ジアミド骨格を導入することで発現させた準安定状態を利用し、均質性の高い高分子複合材料の開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究では,アミノ酸ジアミド骨格の分子内水素結合により形成する準安定な折りたたみ構造を利用し,分子間水素結合により形成する超分子ポリマーを他材料へ均質に複合化させる種(たね)重合法の確立と,それを基にした複合薄膜材料の創製を目的としている.これまで,異なるアミノ酸残基を有するアミノ酸ジアミド誘導体を混合させ,二成分系の種重合過程における自己認識・共集合挙動について,熱力学的,速度論的な評価を進めてきた.2021年度は,電子豊富なドナー性π共役分子と電子アクセプター性π共役分子をそれぞれアミノ酸のC末端とN末端に導入したアミノ酸ジアミド誘導体について,低極性溶媒中における自己集合特性を評価した.その結果,低濃度条件下では単分散状態の吸収スペクトルが観測されたのに対し,濃度を高くすると吸収スペクトルが変化し,π共役部位が分子間で相互作用することがわかった.得られた高濃度溶液中において,超分子ポリマーの形成を透過型電子顕微鏡により確認した.超分子ポリマーの形成機構について知見を得るために,単分散状態から超分子ポリマーが形成する過程を追跡したところ,超分子ポリマーとは異なる発光特性と円二色性を示す粒子状集合体が形成することを見出した.時間依存吸収スペクトル測定により粒子状集合体の安定性を評価した結果,時間の経過とともに超分子ポリマーへ転移したことから,粒子状集合体は準安定状態であると考えられる.さらに,超音波処理により短い超分子ポリマー(種)を調製し,粒子状集合体の溶液に添加すると,直ちに超分子重合が開始されることを確認した. 分子内水素結合を形成するアミノ酸ジアミド骨格と,電子ドナー・アクセプター性π共役分子骨格を組み合わせることにより,種重合に有用な準安定な状態が発現することを明らかにした.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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