研究課題/領域番号 |
20J14841
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
趙 慶慈 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 核磁気共鳴法 / in-cell NMR / シグナル伝達 / 低分子量GTPase / GTPase活性化タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
Rasは細胞内制御因子の存在下で活性型と不活性型間を交換することで細胞増殖などのシグナル伝達を制御するタンパク質であり、その活性状態の定量化はがん治療薬の開発の上でも重要である。本研究では複数の制御因子が細胞内のRasの活性状態に与える影響を定量的に解明するために、ゲノム編集法によって各制御因子をノックアウトすることによる細胞内のRasの活性型割合の変化をin-cell NMR法を用いて定量する手法を確立し、Ras活性状態の細胞内制御機構を定量的に説明できるネットワークモデルを構築することを目指す。
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研究実績の概要 |
Rasの細胞内制御因子のうちRasのGTP加水分解活性を促進させる機能を持つp120, NF-1という2種の代表的なGTPase活性化タンパク質(GAP)に着目し、今年度はこれらのGAPが活性型であるGTP結合型Rasの細胞内存在割合に与える影響の定量化を試みた。 まず、CRISPR-Cas9系を用いたゲノム編集によってGAPがそれぞれノックアウト(KO)された細胞株の構築を行った。標的となるGAP遺伝子を特異的に切断するように設計したベクター、および切断部位に対して抗生物質Puromycinの耐性遺伝子をノックインするためのベクターの2種を構築し、Hela S3細胞に導入後、PuromycinによるセレクションによりGAPがKOされたクローン株を単離した。 次に構築した各GAPKO細胞(p120KO細胞、NF-1KO細胞)に対して安定同位体標識された野生型Rasを導入し、in-cell NMR測定を行った。GTP及びGDP結合型のIle21シグナル強度比に基づいてRasの細胞内GTP結合型割合を算出し、その値をゲノム編集されていないControl細胞と比較した。結果、いずれのKO細胞内においても野生型RasはControl細胞と同様にGTP結合型のシグナルは検出限界以下であり、p120やNF-1のKOによる寄与を観測することが困難であった。そこで次にp120とNF-1の寄与を明確に観測するため、Control細胞内において一部がGTP結合型として存在し、かつGAPによる促進効果を受けるRas T35S変異体を用いて同様の解析を行った。その結果、p120KO細胞内のGTP結合型割合は通常細胞と同程度であったのに対し、NF-1KO細胞内のGTP結合型割合は通常細胞に比べて有意に上昇した。さらに、NF-1のKOによる細胞内GTP結合型割合の変化からRasのGTP加水分解速度の変化を算出すると、内在性NF-1によりRasのGTP加水分解速度は1.7倍程度上昇していることが明らかになった。よって本手法を用いて細胞内のRasの活性に対する細胞内因子の寄与を定量的に解析できることが示された。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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