研究課題/領域番号 |
20J14853
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
中山 陽介 國學院大學, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2021年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2020年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 平仮名 / 仮名文字 / 万葉仮名 / 真仮名 / 草仮名 / 仮名書道 / 文字史 |
研究開始時の研究の概要 |
漢字の全体を書き崩して生まれた文字である平仮名が、平安時代にどのような変遷過程を経て成立したかを研究する。本研究では、平仮名は漢字の形態の性質に変化が起こって成り立った文字であるという観点に基づき、その形態上の性質の変化のうちで重要なものを、簡略な字形、丸い筆画、定まった連綿、の三つの特徴の獲得にあると考える。 近年新たに出土した仮名墨書土器などを含む、九~十世紀の仮名資料の分析を通して、上述の三つの特徴を中心に形態の変遷過程を追跡することで、平仮名が成立してきた過程の実態を考察する。
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研究実績の概要 |
本年度は、平仮名特有の字形の発達過程を跡づける上での鍵となる問題や、平仮名の社会的な位置付けや価値観を考えるための材料となる仮名の用語についての問題を中心に成果を得た。 (一)論文「平仮名の字源と草書」では、近年の中国・日本の文字史の知見を押さえた上で、平仮名の字形が、草書を中心に平安時代前期の書法一般を基盤として発達したことを明らかにし、その時期の草書の普及が契機となって平仮名字形の発達が起こった可能性を示唆した。(二)論文「自家集切『貫之集』の仮名」では、仮名の古筆切として最古級の遺品と目される「自家集切貫之集」の資料的性格を分析し、これが過渡期の仮名の形態をよく留めており、平仮名字形の発達過程を考察したり仮名資料を解読する上で有用な資料であることを明らかにした。(三)論文「「平仮名」の原義 」では、室町時代初出の「平仮名」という語が本来は仮名手本のいろはの字体を限定して指す語であったとする近年の新説を批判した上で、この語が「普通の仮名」の意味で、漢字の全体を書き崩す手法を軸にして出来た仮名の体系一般を指す語であったことを明らかにした。 (四)口頭発表「「仮名」の原義について」では、用語「仮名」が当初は万葉仮名を指す語であったが、万葉仮名と平仮名との歴史的な連続性が原因となって、平仮名の成立とともに平仮名を指すようになったことを論じた。(五)口頭発表「女手成立過渡期の仮名の書道史上の位置付け」では、十世紀以降の草仮名と比較しながら、平仮名(女手)成立以前の九世紀後半期の過渡期の仮名に見られる過渡的性格を指摘しつつ、従来の書道史研究における過渡期の仮名の位置付けについての問題点を論じた。 (六)博士論文「平仮名成立史の研究」では、これまでの成果に基づき、原理的な考察に基づく平仮名の成立過程の通史的研究をまとめた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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