研究課題/領域番号 |
20J14905
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小松田 雅晃 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 芳香環開環反応 / フッ素化反応 / ヘテロ芳香族化合物 / 二環式アザアレーン / イソオキサゾール / 脱芳香族化 / パラジウム触媒 / 炭素–炭素結合形成 / 脂環式化合物 / 芳香族アルコール / 芳香族アミン / ハロゲン化アリール / 三成分連結反応 |
研究開始時の研究の概要 |
脱芳香族的官能基化は、無尽蔵に存在する芳香環を多様な脂環式化合物へ誘導可能な強力な手法である。電子豊富もしくは電子不足な芳香環の反応例は数多く知られるが、電子的に中性なベンゼン類の当該手法は限定的である。これは、高い芳香族安定化効果の打破と官能基化の位置選択性の制御が困難である点に起因する。そこで、遷移金属触媒による芳香環のもつ置換基の結合切断を起点としたπ-ベンジル錯体中間体の生成に着目した。この中間体に位置選択的に求核種を導入することで脱芳香族的官能基化が可能になる。本研究では、π-ベンジル錯体中間体を経てベンゼン環を触媒的に脱芳香族化し、多様な三次元骨格を形成可能な官能基化を開発する。
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研究実績の概要 |
フッ素は、医農薬、材料科学における最重要元素のひとつである。特に、フッ素原子の導入により代謝安定性や脂溶性が向上するため、医農薬品へのフッ素導入法は精力的に研究されている。フッ素導入法の代表的な反応形式の一つに、求電子的フッ素化反応がある。この反応では、主にカルバニオンや不飽和結合、芳香環が求核剤として用いられ、原料の有機骨格を維持したままフッ素化が進行する。一方で、環状化合物の結合切断を伴いフッ素を導入する開環型フッ素化反応は、複雑な含フッ素骨格を効率的に構築できる有用な手法として最近注目されている。これまでに報告された開環型フッ素化反応は、多くが三員環や四員環化合物など環歪みが大きな化合物に限られており、芳香環の骨格変換を伴うフッ素化反応は知られていなかった。 本研究では、ピラゾロ[1,5-a]ピリジンなどの二環式アザアレーンおよびイゾオキサゾールなどのヘテロ芳香族化合物にSelectfluorを作用させることで芳香環開環型フッ素化が進行することを見いだした。本反応では、まずヘテロ芳香環が求電子的フッ素化剤と反応することで、フッ素が導入されたカチオン中間体を生じる。その後、脱プロトンおよび窒素-窒素/窒素-酸素結合が開裂することで開環型フッ素化体を与える。本反応は、形式的には芳香族化合物が求核剤であるものの、得られるフッ素化合物は芳香族フッ化物ではなく第三級フッ素化合物を与える新形式のフッ素化反応である。本反応は広範な二環式アザアレーンおよびイソオキサゾールに適用可能であり、医薬品誘導体などの合成終盤での変換も可能であった。さらに、得られたフッ素化体の誘導体化により、多様な含フッ素骨格を合成できた。開発に成功した本反応は簡便な操作で穏和な条件下進行するため、複雑化合物の合成終盤での適用も可能であり、創薬化学研究における新規医薬品候補化合物の合成などへの応用が期待できる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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