研究課題/領域番号 |
20J15495
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
目澤 義弘 順天堂大学, 順天堂大学大学院 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 癌関連線維芽細胞 / 癌微小環境 / ヒストンアセチル化 / TGF-β / エピゲノム / ヒストン脱アセチル化酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
癌微小環境の主要な構成細胞である癌関連線維芽細胞(carcinoma-associated fibroblasts: CAFs)は、癌促進能を安定して獲得しているが、それを司るエピゲノム異常の詳細は不明である。また近年、CAFsの腫瘍内多様性が示唆されており、癌促進的なサブセットを明確に規定する必要がある。本研究ではエピゲノムの観点からCAFsの腫瘍内多様性を調査し、新規の癌促進的CAFsサブセットとその表現型に関連するエピゲノム異常を同定する。そしてCAFsのエピゲノム異常を標的にした創薬やバイオマーカーの確立に向けた基礎的知見を得る。
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研究実績の概要 |
癌関連線維芽細胞(carcinoma-associated fibroblasts: CAFs)は、不均一な亜集団から構成されていることが近年明らかになり、癌促進的CAFs亜集団を同定する手法の確立や、出現メカニズムの解明が必要である。本研究ではこれまで、ヒト乳癌組織中のCAFsではグローバルヒストンアセチル化が非腫瘍部に存在する線維芽細胞に比べて低下していることを見出していた。また、筋線維芽細胞様CAFsではtransforming growth factor-β (TGF-β)シグナルが恒常的に活性化していることが知られている。そこで令和3年度は、CAFsでヒストンアセチル化が低下しているメカニズムの解明を目指し、癌微小環境の特徴の一つである低栄養状態に着目した。グルタミン欠乏培地でヒト正常乳腺線維芽細胞株を培養すると、グルタミン含有培地で培養した場合に比べて、ヒストンH3とヒストンH4のグローバルアセチル化が減少することを見出した。さらに、グルタミン欠乏培地で培養された正常乳腺線維芽細胞では、TGF-βシグナルを媒介する転写因子であるSmad2のリン酸化や、TGF-β標的遺伝子のmRNA発現が上昇しており、グルタミン欠乏条件により正常線維芽細胞でTGF-βシグナルが活性化し、部分的に筋線維芽細胞様CAFsに類似した状態が再現されることを見出した。本研究結果より、癌微小環境の低栄養状態が正常線維芽細胞にヒストンアセチル化の低下を引き起こし、そのことが正常線維芽細胞をCAFsに分化転換させる原因の一つになっている可能性が示唆され、CAFsの出現メカニズムの理解に発展があったと考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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