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クロマチンと発生制御をつなぐ階層的モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 20J15811
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
研究機関名古屋大学 (2021)
京都大学 (2020)

研究代表者

浅倉 祥文  名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2020-04-24 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードHox / collinearity / HOX / クロマチン動態 / イジングモデル
研究開始時の研究の概要

動物個体の初期発生は、複雑な形態を驚くべき精度で形成する。その制御機構の解明は未だ生物学の根源的課題の一つである。発生過程は体軸に沿って多様な因子が作用することで制御される。中でもHOX転写因子はゲノム上と体軸上で同一の順序で発現し、位置情報として機能する。この現象はcollinearityと呼ばれ、発生制御の根幹を担う機構だが、クロマチン上の制御領域などにおいて解明されていない点は多い。本研究では統計力学の手法を用いた解析に加え機械学習による未発見の制御領域の推定と検証を行うことで、collinearityの生じる機構を解明する。

研究実績の概要

Hox遺伝子群はゲノム上で連続にコードされる転写因子群であり、発生中の体軸上での発現順序とゲノム上のコード順序が一致する。この一致はCollinearityと呼ばれ、この性質からHox遺伝子群は時空間的な座標として機能すると考えられてきた。このHoxの発現制御にはエンハンサーの関与が示されているが、何がエンハンサーを制御するのかなど、その制御機構には未解明な点が多く残されていた。そこで本研究では、Hox発現制御にポリマーとしてのクロマチンの熱力学的性質が関与しているのではないかと考え、熱統計力学的な理論研究を進めてきた。
今年度は理論研究に加え、ニワトリ胚を用いた実験研究を行った。クロマチンの開閉状態を調べるATAC-seqを行った結果、各Hox遺伝子周辺に常に開いている領域と発生の進行に伴って順に開く領域が存在することが明らかになった。さらにこの中に、Tgf-βシグナルで活性化する転写因子の結合モチーフが存在することを確認した。さらに理論解析からはHox遺伝子領域周辺に結合可能な転写因子が発現制御領域間の相互作用を媒介することで、クロマチンのポリマーとしての熱力学的な性質により開閉状態が周辺の領域へゲノム上の距離依存的に状態伝播することが示された。加えてHox領域周辺に結合可能な転写因子の濃度がクロマチンポリマーの伸縮とクロマチンの各領域の開閉を制御する熱力学的変数であり、特定の濃度を境にHoxの発現量が急激に変化することを示した。以上より、エンハンサーを含む常に開いているノンコーディング領域に転写因子が結合し、その周辺の結合領域を開いていくとともに、ゲノム上の順序に沿って転写活性の高い領域が広がって行くというモデルが考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Hierarchical modeling of mechano-chemical dynamics of epithelial sheets across cells and tissue2021

    • 著者名/発表者名
      Asakura Yoshifumi、Kondo Yohei、Aoki Kazuhiro、Naoki Honda
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 号: 1 ページ: 4069-4069

    • DOI

      10.1038/s41598-021-83396-6

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Chromatin dynamics in Hox-mediated animal body development2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Asakura and Suzuki Takayuki
    • 学会等名
      44th Annual Meeting of the Molecular Biology Society of Japan
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Chromatin dynamics in Hox-mediated animal body development2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Asakura
    • 学会等名
      日本生物物理学会第58回年会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 動物初期発生におけるクロマチン動態2020

    • 著者名/発表者名
      浅倉祥文
    • 学会等名
      第30回日本数理生物学会年会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] Chromatin dynamics in Hox-mediated animal body development2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Asakura
    • 学会等名
      JSDB Online Trial Meeting 2020
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 動物初期発生におけるクロマチン動態2020

    • 著者名/発表者名
      浅倉祥文
    • 学会等名
      第43回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-03-26  

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